連載

知っていればもっと楽しいデジタル家電の仕組み（2）：“高画質スリム一眼”を実現する新規格「マイクロフォーサーズ」とは

機械音痴“乙女ちゃん”に「デジタル家電の仕組み」を、理系男子“ムサシくん”が分かりやすく解説します。第2回目はデジタルカメラの新規格「マイクロフォーサーズ」について解説！　LUMIXのDMC-G1を勧められるままに買った乙女は、その特徴すら理解しておらず……。

■登場人物の紹介

――乙女（文系女子）

デジタル製品に興味はあるが、細かいスペックの話をされるとよく分からない。結局、デザイン重視で選びがちだが、どうせ買うなら、きちんと製品の性能を理解して自分に合ったいい物を買いたいという思いがある

――ムサシ（理系男子）

自称デジタル人間。スケジュール管理に紙なんて論外。デジタル製品のことなら、細かいICの隅々まで、何でもこい。基本的には物静かだが、得意分野となると熱く語り始める。女の子に「すごい！」といわれると、やる気が出る

買った……ついに、買ってやったわ、マイカメラ！　うれしい！　おまえには、いち子と名付けよう……！　わーい、いち子ちゃーん☆

でも、久々の高い買い物なのに、勧められるまま買っちゃった。うーん、これでよかったのかな……。

あ、乙女ちゃん！　小躍りしたり、不安げな顔したり相変わらず忙しいねぇ。最近、よく電気屋に来てるんだね。

うん！　実は今日、ついにマイ一眼レフを買ったんだぁ、えへへ。でも、会社の先輩たちに勧められるまま買っちゃったから少し不安で。

何買ったの？　見せてー！　……何ぃ!?　乙女ちゃんにしては、いい買い物してるじゃん！　マイクロフォーサーズの記念すべき、初号機！　いらないなら、ちょうだい……！

わわわ！　勝手に袋から出してる！　だ、だめだよっっ！　ボーナスはたいて買ったんだからぁ……。そして、マイクロフォーサーズじゃないよ、パナソニックのLUMIX「DMC-G1」だよ！

……さては乙女ちゃん、これがマイクロフォーサーズ機だってことはおろか、マイクロフォーサーズが何かも知らないで買ったね？

え、メーカー名じゃないの？　マイクロフォーサーズ社、みたいな。

……信じられん、知らずに買うなんて。ただ、君にピッタリの買い物をしていることは確かだから先輩たちに感謝しなさい。

ふ～ん、それならいいや。よかったー！

こら！　せっかく買ったんだから少しは理解しなさい。

……だって、パンフとか読んでもよく分かんないんだもん。よかったら、ムサシくん教えてくれない？

しょうがねぇなぁ……。マイクロフォーサーズっていうのは、レンズ交換式デジタル一眼カメラの規格なんだ。デジタル一眼ならではの高画質を軽量・小型なボディで実現できるよう、技術的な工夫がなされているんだよ。これまでレンズ交換式のカメラをなんとなく避けてきた人にも買いやすくなるんじゃないかな。

　動画対応も将来的な視野に含まれているし、オープン規格といって、1社だけではなくいろいろなメーカーがマイクロフォーサーズを利用した開発ができる。デザインも従来のデジタル一眼にとらわれないものが出てくるかもね。

　ちなみに、あとでしっかり説明するけど、DMC-G1はデジタル一眼レフじゃなくて、“レフ”のない“デジタル一眼”だからね？

ん？　レフないの!?　だまされたー!!　そして……小さくて軽くて、液晶を見ながら撮影できるって、じゃあコンパクトデジカメとはどう違うの？　……分かった、さては技術的工夫とか言ってごまかすつもりね!!

あわわ……だ、だまされてないからとりあえず、落ち着け！　ちなみに、1つコンデジとデジタル一眼の違いを挙げるとすれば、撮像素子の大きさが挙げられるんだけど……撮像素子っていう写真フィルムのような役割を果たすセンサーが、一般的にはデジタル一眼の方が大きいんだよ。

ごめん、なんかよく分からないので、もう1回説明してもらえますか……。

買った製品の特徴すら分かっていなかった乙女ちゃん。解答編では、そんな乙女ちゃんに基本の“キ”から理系男子ムサシくんが解説を行います。お金をはたいて買ったのだから特徴くらい分かってほしいもの。彼女がマイカメラを使いこなせる日はくるのか……！

決定版！　液晶とプラズマはここが違う（疑問編）
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