総合評価コメント

「Compaq Evo Notebook N620c」は、CPU動作周波数は1.40GHz、HDD容量は40Gバイトなど、スペック的には標準クラスのノートPCと思われるかもしれない。しかし、総合的なパフォーマンスは極めて高い。搭載CPUのPentium Mは、1.40GHzでもモバイルPentium 4-M 2.0GHzと同等（もしくはそれ以上）の処理速度を誇っている。またHDDにも、5,400回転の高速ドライブを採用。一般的なノートPCより1ランク上の転送速度が実現されている。もちろんATI Moblity RADEON 7500によるグラフィックス性能も優秀である。そのほか、メモリ性能など、全体的にバランスよく高レベルなパフォーマンスを有している。メーカー希望小売価格は22万8,000円（2003年5月）。20万円超の価格設定ではあるが、コストパフォーマンスは標準的といえるだろう。あえて苦言を述べるとすると、「CD-R/RW対応ドライブでない」、「IEEE1394インタフェースを標準装備していない」となる。これらに対してユーザーがどう対処するかが問題。オプションの購入により解決できる問題ではあるが、それではさらなる出費が必要となってしまう。→レビュー本文

評価のポイント

本体の重量はマルチベイウェイトセーバ装着時で約2.1kg。気軽に携帯するにはちょっと重たい重量であるが、携帯に無理があるわけではない。A4サイズの2スピンドルマシンとして一般的なサイズといえるだろう。液晶背面にマルチポートを装備しているのがポイント。

CPU、メモリ、HDD、グラフィックス、どれをとっても高レベルのパフォーマンスを有している。特にHDDの性能はピカイチ。メーカー公表のスペックには、単に「HDD 40Gバイト」と記されているだけであるが、実はこのHDDは5,400回転の高速ドライブである。一般的なノートPCに採用されている4,200回転のHDDより1ランク上の性能を誇っている。

タッチパッド＋ポイントスティックのデュアルポイントを採用。ユーザーが自分好みのポインティングデバイスを使用できるようになっている。キーボードの操作性も快適で、タイピングの感触も良好といえる。

液晶背面にマルチポートを搭載。無線LANやBluetoothモジュールを装着できるようになっている。マルチベイに装着されているDVD-ROMドライブは着脱式。CD-RWドライブやセカンドバッテリ、セカンドHDDとの交換が可能である。このように、本体の拡張性は高いのであるが、いずれもオプションとなっているため、金銭的な問題が避けられない。IEEE1394が標準装備されていない点もマイナス評価となる。

14.4V、4,400mAhのリチウム-イオンバッテリを標準添付。この標準バッテリで約6時間の連続駆動を実現する。オプションバッテリを併用すると、10時間の連続駆動が可能だ（いずれもメーカー公表値）。A4スリムノートの中でも優れた駆動時間を備えていると考えてよいだろう。

ベンダー製品担当者からの一言

「Compaq Evo Notebook N620c」はパフォーマンスを犠牲にすることなく高性能モバイルを実現したA4スリムノートです。ATI Mobility Radeon 7500をグラフィックスコントローラに、グラフィックスメモリには32MバイトDDR SDRAMを搭載し、お客様先でのプレゼンテーションや2次元CADでも十分なパフォーマンスを発揮します。Pentium Mプロセッサを採用し、ハイパフォーマンス、長時間バッテリライフも実現しています。（日本ヒューレット・パッカード　パーソナルシステムズ事業統括　モバイルビジネス本部　菊地 友仁）

スペック

[相澤裕介, ITmedia]

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