DTPは死ぬのか? 新世代DTP推進4社の思惑と寒風吹く業界の今後を占う“TNG”プロジェクト(1/2)アップル、アドビ、SCREEN、モリサワのDTP系主要製品ベンダー4社が、新世代DTPを推進するプロジェクトを発足させた。業界活性化の糸口となるか、考察する。
アップルコンピュータ、アドビシステムズ、大日本スクリーン製造、モリサワの4社は2003年5月21日、広告、出版、デザイン、印刷業界に向けた、Mac OS XとAdobe InDesignベースの新世代DTPワークフローの普及及び移行の推進を目的とした、“TNG(The New Generation)プロジェクト”を発足したと発表した。 本プロジェクトは、4社合同でTNGプロジェクト事務局を運営し、プロジェクトのWebサイトやセミナーを通じて、新世代のDTPに関する技術情報や事例を公開すると共に、実際に新しいワークフロー環境を見て、手に触れることのできるショールーム“TNG Square”を運営する。 ここで言う“新世代DTP”とは、つまり4社が提供するDTP向けのプラットフォームを指す。
![]() 左よりアップルコンピュータ マーケティング本部長の大宮哲夫氏、アドビシステムズ マーケティング本部長の沢昭彦氏、大日本スクリーン製造 メディアテクノロジーカンパニー 企画統括部長の廣島望介氏、モリサワ 取締役営業本部長の森澤彰彦氏
さらに具体的に説明しよう。実際に手に触れることのできるショールームは、当然あってしかるべきものだし、Webでの展開も、まずまず定石に類する。TNG事務局として運営するため、4社のどこの色もつかず、どこの製品だけを推薦することではない。 推薦するのは、4社が提供するDTPプラットフォームの連携の“保証”である。実際のところ、“業務”であるDTP作業には、各種のトラブルがつきものだ。それを解決しないと、“業務”が遂行できない。例えば1社のサポートにトラブルを訴えても、自分の製品以外の話はしづらかった。他社製品を保証しているわけではないからだ。 4社の説明によると、今回のプロジェクトの意味するところは、4社が提案する“新世代DTP”の範囲内であれば、4社中の他社のソリューションの責任も持ちあう画期的な状況が生まれる、というところにあるようだ。 DTPワークフローは単一ベンダーの製品で成り立つ部分は少ない。そして保証してくれる、ということは今までにはなかった。単純に、これは喜ばしいことに違いない。 また、ショールームはモリサワ東京支店(東京・飯田橋)と大日本スクリーン製造の営業子会社メディアテクノロジージャパン(東京・九段下)に開設される。実際にTrueFlowが設置され、プレートセッタだけは無いが、すべてのDTPワークフローを見て、触ることができる。サンプルは、“新世代DTP”ソリューションで一貫して製作された、「DTP WORLD」のムック本だ。もしまだ“新世代DTP”に切り替えていないのであれば、冷やかし気分でもいいので行ってみるといいだろう。これはこれで面白い。
さて、今回の4社連合の好ましい面は以上の通りだ。これからは少し分析を加えてみたい。 実際のところ、なぜ今のタイミングなのか? なぜこの4社なのか? 業界人であればさまざまな疑問がおのずと沸き上がってしまうはずだ。探偵小説のいろはに例えるなら、事件が起こった場合、最大の利益を享受する者がもっともあやしい、ということになる。それはどこか? これは憶測だが、現在のDTP系ソリューションベンダーで唯一この4社から抜けている会社があるのに気づくはずだ。無論、Quarkである。Quark製品との直接競合製品を持っているところはどこか? 無論、アドビである。4社のどこが主導なのかは問うても仕方がない。 [大出裕之, ITmedia ] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 前のページ | 1/2 | 次のページ モバイルショップ
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