> レビュー 2003年6月2日 09:00 PM 更新

リーズナブルで高画質、デジカメ写真向け廉価インクジェット
セイコーエプソン カラリオプリンタ PM-870C(2/3)


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6色インク機ながら、実売価格は1万円台


 セイコーエプソンの「カラリオプリンタPM-870C」は、ハイエンド機並みの豊富な機能と低価格を両立した製品。同社のA4プリンタのラインアップの中では、ミッドレンジモデルに当たる機種だ。

 最高解像度は2880×720dpiで、最小ドロップは4pl。同社のハイエンドモデルに比べると解像度などのスペックは劣るが、CD-Rダイレクトプリントに対応し、ロール紙ホルダも標準装備している実力派だ。CD-Rプリント用の特別な給紙トレイなどはなく、本体前面の排紙トレイの高さを1段上げて、そこをCD-Rの給紙トレイとして利用する。このタイプのCD-R給紙トレイは同社の上位モデルでも採用されている方式だが、余計な付属品が不要で、セッティングも簡単でいい。

 インク数は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンに、ライトマゼンタとライトシアンを加えた6色インク。ブラックカートリッジと、その他のカラーインク5色を一つにまとめたカラーインクカートリッジの、2カートリッジ方式。プリンタヘッドは本体に組み込まれており、インクだけ交換するタイプである。

 本体は、同社のラインアップのデザインを踏襲したグレーを基調とした丸みを帯びた外観で、小型化の進む他社製品に比べると、本体サイズはやや大きめだ。インタフェースは、USB1.1とパラレルを1ポートずつ装備している。高解像度の上位モデルはUSB2.0対応が進んでいるが、6色インクでも最高解像度が低く、印字スピードもそれほど速くないため、USB2.0に対応する必要はないとの判断でのスペックだろう。



カラリオプリンタのデザインを踏襲した本体外観

※カメラ位置などの関係で、実際のサイズとは違った見え方になる場合があります



給排紙トレイを広げると、前後にかなりの設置面積が必要となる。本体前面の排紙トレイは、CD-Rダイレクトプリントの給紙トレイも兼ねている

※カメラ位置などの関係で、実際のサイズとは違った見え方になる場合があります



インクタンクは、ブラックと、その他の5色を一体化したカラーインクの2タンク。インク残量は、プリンタドライバ画面に常時表示されるが、インク切れを起こした色があっても直ぐにアラートが出ないのが残念



インタフェースは、USB1.1とパラレルの2ポートを備える。製品スペックを考えると、USB2.0非対応は妥当な判断だ

 この製品の一番の魅力は、6色インク機で機能も豊富なのに、実売価格が1万円台半ば〜後半というコストパフォーマンスの高さだろう。ハイエンドモデルや複合機、PXインク採用機の影に隠れて目立たない存在だが、なかなかの実力派だ。

スピードは遅いが写真画質はグッド

 では、本製品の実力を検証していこう。一番の注目ポイントは、デジカメ写真の出力品位だ。

[田中裕子, ITmedia ]

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