hp officejet 6150――各機能ともハイレベルのオフィス向けインクジェット複合機(2/2)ガラス面に密着させることができない原稿を読み取る場合も、光が届かない、あるいはピントが合わないといったこともない。解像度こそ最大1200dpiだが、スキャン画像の美しさやプレビューの速さなど、十分に単体の製品としても使えそうな実力がある。 プリンタとスキャナはインクジェット複合機の基盤となるハードウェアである。限られたコスト内で多機能を実現する複合機の宿命として、それぞれのコンポーネントで最高クラスのスペックというわけにはいかないが、本機はその枠の中でそれぞれに不満の少ないものとなっている。 プリンタ部はpsc 2150とほぼ同じで、deskjet 5550/5551のインクカートリッジや印刷メカを継承。コンパクトなヘッドや機構部により、ADFを備えながらも筐体サイズの拡張を最小限に抑えている。オフィス用途を意識した製品だけにフォトインクカートリッジは添付されていないが、購入して顔料黒インクカートリッジと交換すればpsc 2150と同等の、4ピコリットル6色インクの高品質な写真印刷を楽しむことができる(ただしメモリカードダイレクトプリントの機能はない)。 全面給排紙システム、用紙種自動判別機能、自動両面印刷機能など、従来機で評価の高い機能はすべて継承した。特に用紙種自動判別機能は、PCを使わずに単体のコピー機として利用する場合に便利だ。 例えば写真用紙をセットしてカラーコピーすれば、ユーザーは品質設定を行わなくとも、光沢紙へ高品質モードでコピーされる。いちいち小さな液晶ディスプレイを眺めながら、メニューを操作しなくてもいいのだ。 画質はHP製プリンタの伝統にならって普通紙での高いコントラストを実現。黒文字の濃度も高くにじみも少ない。速度も若干ながら向上しており、モノクロ毎分19枚、カラー毎分15枚の能力を持つ。 下端マージンが広い、完全な縁なし印刷が行えないといったHP製プリンタ共通の問題は残っているが、オフィス指向の強い本機であれば、問題となるケースは少ないだろう。
質の良いスキャナとプリンタ部を持る本機は、コピー時の画質も良好だ。特に文字のエッジ部分の滑らかな描写や、拡大・縮小コピー時の解像度補完処理に優れている。 これらは元々pscシリーズも得意としていた処理だが、内蔵コントローラの違いからか処理品質は本機の方が上手に処理する場合が多く、速度ともにコピー速度も向上している。また、従来から良好だったカラーコピー時の色のマッチも、さらに改善が進んでいる。 ただし二つほど残念な点もある。 まず、FAX機能はPCと連携を行えない。FAX機能内蔵のインクジェット複合機は、多くの場合、PC上のアプリケーションから直接FAX送信する機能を備えているが、本機にはそうした機能はない。 このため、例えばワープロ文書をFAXする場合、いったん紙に印刷してからADFに原稿を載せてFAX送信操作を行う必要がある。本機の数少ない弱点と言えるかもしれない。 もう一つは日本語化が不完全なこと。操作メニューや操作パネルの印刷などはすべて日本語になっているが、エラーレポートなど内蔵するコントローラが印刷するレポート類は英語のまま。難しい英語ではなく、また解説も説明書のなかで丁寧に行われてはいるが、改善を望みたい部分だ
操作メニューやパネルの印刷はすべて日本語化されている。ただエラーレポートなどが英語のままなのが残念 とはいうものの、他社を含めたこの夏のインクジェット複合機ラインナップを見回すと、本機の競争力は非常に高い。実用性の高いスキャナとプリンタという強固な基盤の上に、両面コピーも可能なADFとFAXが付属しているのだ。 直接のライバルとなるADFとFAXが付いたインクジェット複合機は、本機よりも価格が高く、スキャナもCCDセンサーを使っていない。同一価格帯でADF付きは存在せず、価格面でも魅力は大きい。 インクジェット複合機の革命児:日本ヒューレット・パッカード hp psc 1210 日本HP deskjet 5650――四辺縁なし印刷に対応。美しさと実用性を備える待望の新製品 コンパクトデザインと低価格が魅力のエントリーモデル:日本ヒューレット・パッカード hp deskjet 3420 関連リンク 日本ヒューレット・パッカード HP Officejet 6150 [本田雅一, ITmedia ] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 前のページ | 2/2 | 最初のページ モバイルショップ
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