> レビュー 2003年7月7日 04:47 PM 更新

コンパクトボディに5倍ズームレンズと多彩な機能を満載
ペンタックス Optio550(3/4)

製品写真
総合評価8
画質8
カメラ性能9
デジタル性能9
デザイン・インタフェース7
機動力6
レイティングポリシー

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小さなボディにたくさんの機能が詰まっている

 Optio550のもう一つの特徴は多機能。上部にあるモードダイヤルを見るだけでも、プログラムAE/絞り優先AE/シャッタースピード優先AE/マニュアル露出に加えて、PICT(シーンモード)、動画、パノラマアシスト撮影、3D(立体写真)、デジタルフィルターと多彩だ。


シャッターボタンのまわりにモードダイヤルが並ぶ。だが、普段使うのはPICTからMまでの五つで、あとは特殊撮影用だ

 さらにMENUキーを押すと、1枚6項目の撮影機能が3ページに渡って並ぶ。ホワイトバランスはカスタム設定も可能なほか、蛍光灯は白色、昼白色、昼光色の3種類から選べるし、AFエリアや測光方式も選べる。2ページ目になると圧巻のオートブラケット機能やインターバル撮影機能といった特殊機能系が並び、3ページ目はシャープネス、彩度、コントラストがそれぞれ3段階でセットできるというカスタマイズ系だ。


中央にOKボタンを置いた菱形の十字キーが特徴。これはなかなか使いやすいが、機能が豊富な割にボタンがシンプルで、その分メニューに頼ることになってしまった。親指を置く場所が空いていて、その先にフォーカスモードボタンがあるのはなかなかよい

 しかし、メニュー内容はちょっとややこしすぎ。動画や立体写真など特定のモードにのみ必要な機能はそのモードの時だけ現れればいいし、項目数が多いのでもう少し整理してくれないと何度も十字キーを押す羽目になる。メニューの文字フォントが汚いのもあまり気持ちよくない。もうちょっと練り直せると思う。

 あまりにややこしいからか、カスタマイズできるショートカットキーが用意されている。MENUキーを押しながら十字キーを押すことで任意の機能をダイレクトに実行できるのだ。

 でも、機能的にはすごい。特にオートブラケットは露出/ホワイトバランス/彩度/シャープネス/コントラストのそれぞれに用意されており、露出以外は撮影後に現像パラメータを変更して3枚の違った絵を作り出す仕組み。これはなかなか秀逸である。彩度やシャープネス、コントラストはどう設定するとどう撮れるのかが予想できないと怖くていじれないパラメータだが、ブラケットで自動的に同じカットを違う設定で撮ると、どこをどういじると絵がどう変化するかを捉えやすくなるからだ。

 メニュー以外でも、フォーカスモードボタンを押すと、マクロ→スーパーマクロ→無限遠→マニュアルフォーカス→スポットAFのエリア選択と5パターンが切り替わるという豊富さだし、DISPLAYボタンを押すとリアルタイムヒストグラム表示や、グリッド表示が現れる。グリッド表示はなかなかうれしい。液晶モニタで撮影していると、どうしても水平に撮るのが難しくなるからだ。

 メニュー構成がややこしいとはいえ、よほど気が短くない限りは迷ってイライラすることもないだろう。まずは機能の豊富さを楽しみたいところだ。

 だが、他にイライラする点が二つある。一つは起動が遅いこと。このコンパクトなスタイルで起動に256Mバイトのメディアをセットした場合の実測値で約6.1秒かかるのはいただけない。5倍ズームレンズを沈胴させるのは大変かと思うが、もうちょっと頑張って欲しかった。

 もう一つもそれに関連するのだが、再生するときはモードダイヤルではなく、独立した再生ボタンを押すという仕様になっている。どんな撮影モードでもそれを押せばすぐ再生モードになるし、再生時にシャッターを半押しすればすぐ撮影に戻れるという優れたアイデアだ。ただ、電源オフの状態で再生だけがしたいときは再生ボタンを押しながら電源キーを押す必要がある。再生ボタンを長押しすると再生モードでスイッチが入るなど、もうちょっとシンプルで感覚的な方法を用意してほしかった。例えばキヤノンのPowerShot S50やオリンパスのデジカメは、再生ボタンを押すだけで再生モードで電源が入る仕様になっていて分かりやすい。

誰でも楽しめる間口の広いデジカメ

 このようにユーザーインタフェースや機動力面で難はあるものの、全体としては非常によくできたデジカメであるのは間違いない。まだまだ完成度は上げられそうだが、この強力で豊富な機能はなかなか真似できないからだ。スーパーマクロから望遠まで、撮影可能な範囲も広い。手軽な500万画素ズームデジカメとして常用してもいいし、豊富な撮影機能を駆使してデジタル撮影を楽しむ趣味のデジカメにしてもいい。これだけたくさんの機能が詰め込まれていれば、ほとんどの撮影に対処できるし、思いもつかなかった写真を撮ることもできるだろう。なんとも面白いカメラである。

 ハイエンド機のような構えたところがなく気軽にサッと使えるので、いろいろ遊べる“趣味のデジカメ”を探している人にはイチオシといっていいくらいだ。

[荻窪圭, ITmedia ]

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