> レビュー 2003年7月7日 05:46 PM 更新

マニュアルコンパクトのフラッグシップ
キヤノン PowerShot G3(1/4)

製品写真
総合評価9
画質9
カメラ性能9
デジタル性能9
デザイン・インタフェース7
機動力8
レイティングポリシー

評価のポイント

画質

     ディテールの描写力や発色の艶やかさ、ノイズの少なさなど、400万画素機としては最高峰の出来。非常に印象的な鮮やかさなので、素材性重視の渋い絵が好きな人には不満があるかもしれない。

カメラ性能

     F2.0の4倍ズームレンズは非常に扱いやすく、バヨネット式で着脱が簡単なワイコンとテレコンも用意されている。内蔵のNDフィルターも面白く、幅広く使える。各種マニュアル機能も充実しており、さすがハイエンド機という内容だ。ただ、AFが遅いのは気になる。ヒット率が高いAFだが、どのくらい待てるかは人それぞれだろう。

デジタル性能

     ハイエンド機らしく、カスタムホワイトバランスも二つまで登録しておけるし、彩度、シャープネス、コントラストについても個別に3段階でセットできる。これらをすべて組み合わせたカスタム設定も二つ登録できるので、自分好みのセッティングをすぐ使えるのは便利。回転式の液晶も自由なアングルを実現できて良い。リアルタイムヒストグラム表示がないのは不満か。

デザイン・インタフェース

     4倍ズームとはいえ、いささかでかくて重いし、全体の動作も軽快とはいえない。ハイエンドユーザー向けに電子ダイヤルも装備して操作はしやすくなっているが、機能が多い分ややこしいのは否めない。もうちょっと整理して使いやすくなってほしいところだ。

機動力

     さすがに重めだが、持ち歩けない重さではない。バッグへの収まりも悪くないし、首からぶら下げて歩いてもそう苦ではない(両側にストラップを付けると、液晶モニタを開いたときにストラップが邪魔をするのが欠点だが)。ただ、全体に速度については気になることが多い。特に再生が遅く、縦位置で撮った写真があるとワンテンポ表示が遅れるのは欠点だ。

総合評価

 個々を見ると欠点もあるし強い個性があるわけではないが、画質や性能をトータルで見ると間違いなくトップクラス。フラッグシップデジカメにふさわしい総合性能を持つハイエンドデジカメといってよい。400万画素ではあるが、500万画素機に見劣りのしない画質と高機能を持っている。買って損のないモデルだ。

ベンダー製品担当者からの一言

「高精細1/1.8型4メガピクセルCCD」を搭載するとともに、ズームレンズの倍率を従来の3倍から4倍にアップしながらも、開放F値でF2.0〜3.0という大口径比を実現しています。また、AF/AE枠を任意の位置に移動できるアクティブフレームコントロールを新たに搭載したほか、動いている被写体のスローシンクロ撮影時により自然なストロボ効果が得られる後幕シンクロ撮影機能や、ND(減光)フィルター挿入機構など、ハイアマチュアから業務用途まで幅広いニーズに対応する高度な撮影機能を搭載しています。(キヤノン販売 広報部 徳重 義弘)

主要スペック

有効画素数約400万画素
レンズ35〜140mm相当(35mm換算)、F2.0〜3.0
ズーム光学4倍ズーム
最大画像解像度2272×1704ピクセル
記録メディアコンパクトフラッシュType I/IIカード
バッテリ専用リチウムイオン充電池
サイズ(W×D×H)121.0×73.9×69.9mm(突起部を除く)
重量約410g(本体のみ)

[荻窪圭, ITmedia ]

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