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2003年7月15日 00:34 AM 更新
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Interview
富士通 LOOX T90D 「機能で妥協することなくどこまで軽量化できるか、その挑戦でした」(4/4)
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「Crusoeを採用するためにCrusoeを使っていたわけではありません。われわれのコンセプトにフィットしたプロセッサがCrusoeだったんです。しかし、プロセッサの絶対パフォーマンスでは妥協しなければならなかった。今回、Pentium Mを採用したのは、パフォーマンスに関しての妥協を、しなくても済むようになったからです。われわれは“どちら寄り”でもなくニュートラルな立場です」
TM8000登場後は、また状況が変化するのだろうか?
「われわれの目標は、狙っているモバイルPCという市場を広げることです。そのために冷静に、どのようなプラットフォームが市場に選ばれるかを判断したいと思います。TM8000に関しても、性能や市場の反応をよく考えた上で、良いものであるならば挑戦したいとは思いますが、現時点で採用することが決まっているわけではありません」
LOOX Tが採用したi855GMは、熱設計電力は低いものの平均消費電力は高めで、バッテリー持続時間は、省電力なディスクリートグラフィックチップの方が有利な場合もある。性能面でもディスクリート型の方が有利で、ユーザーもそのようなイメージを持っている。
「インテルと話し合いながら、省電力化のための機能をイロイロ入れるように提案はしていますが、現状は確かにディスクリート型の方が省電力になることもあります。しかし、実装面積上、別にグラフィックチップを搭載することはできません。実は新型LOOX Tのメイン基板上で、有効に使うことができる面積はLOOX Sよりも小さいんです。そうした制限の中でPentium M搭載マシンを作ると、オンボードにならざるを得なかったというのが正直なところです」
LOOX Tのメイン基板。片面への実装が多く、すき間が多く見えるが、実際には筐体内のレイアウトの関係で、空いている部分に部品を実装することができないのだとか。“エレキで使える有効面積が少なかった”というのは、基板面積ではなく使える面積のこと。基板面積が増えると重量面で不利だが、スロットや端子類、ドライブ類などのレイアウトを重視した
消費電力という切り口でCrusoeとPentium Mを比べると、どのような違いがあるのだろうか?
「プロセッサそのものの消費電力に関しては大差ありません。しかし、周辺チップと込みで考えると、Pentium M搭載機の方が頑張らなければならない要素が多かったですね。Pentium M搭載機といっても、何も考えずに設計してしまうと、電気を食ってしまいます。電源回りの効率アップや液晶パネル回りの作り込みが必要になりました」
シングルスピンドル機へのチャレンジも継続する
長いインタビューとなったが、筆者自身が試用したLOOX Tは、確かにサイズを超えた重さがあった。しかし、機能面で妥協しないという姿勢も理解はできる。大幅に改良されてタッチが良くなったキーボード、DVD-Multi、交換可能なドライブベイなどなど、富士通の意図したポイントは、確かに響いてくる。軽さは重要なファクターの一つではあるが、すべてではない。コンセプトが明確な分だけ、ユーザーも選びやすいのではないだろうか。
しかし、数少ないコンパクトなシングルスピンドル機でもあったLOOX Sシリーズに、新しい製品がないというのは気になるところだ
「現在、LOOX Sシリーズは春モデルを継続販売という形になっています。しかし、LOOX Tが生まれ変わったように、LOOX Sのフォームファクターに関しても、発想を転換した上でチャレンジしたいと考えています。現在のところ、商品企画を行っている段階ですが、新しいチャレンジとしてパーソナルユーザー向けのLOOX Sに挑戦したいと思います」
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FMV-BIBLO LOOX T90D
FMV-BIBLO LOOX T60D
FMV-BIBLO LOOX T60D/W
富士通の新「LOOX」はPentium Mマシンに
[本田雅一, ITmedia
]
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