> レビュー 2003年8月11日 04:43 PM 更新

カシオ計算機 QV-R40――高速・高レスポンス性がウリの400万画素3倍ズーム機(1/4)

カシオの最新デジカメ「QV-R40」は、400万画素CCDと3倍ズームレンズを搭載した手のひらサイズのコンパクト機。機能的に目立ったものはないものの、起動時間約1秒、レリーズタイムラグ0.01秒という高速・高レスポンス性がウリで、撮りたい瞬間を逃がさずに撮影できるのが魅力だ。

手のひらサイズの400万画素3倍ズーム機


 カシオ計算機の「QV-R40」は非常にコンパクト。サイズは幅880×高さ605×奥行き327ミリで、カードサイズの同社製3倍ズーム機「EX-Z3」(870×570×229ミリ)や、キヤノンの400万画素3倍ズーム機「IXY Digital 400」(870×570×278ミリ)より一回りほど大きいぐらいだ。

 基本的なスペックは、400万画素1/1.8インチCCDに39〜117ミリ相当の3倍ズームレンズの組み合わせ。ワイド端がもう少しほしいところだが、このコンパクトさなら納得すべきだろう。

 記録メディアにはSD/MMCメモリーカードを使用する。ただし製品にはメディアが付属しないので、別途購入しなければならない。

 レンズは開放F値がF2.8〜4.9とそれほど明るくない。標準感度がISO80に設定されていることもあって、オートではゲインアップ(増感)しやすいが、するとてきめんにノイズが目立ってくる。もっと明るいレンズがほしいところだ。

 ズームは35ミリ版換算で39〜117ミリ相当だが、マクロモードでは39〜46ミリに制限される。ほぼワイド端だ。撮影の自由度を考えると、全域マクロとはいわないまでも、テレマクロはほしい。

 撮影モードはオートが基本。絞り優先モードなどはサポートしていない(もちろん露出補正は可能)。しかし「ベストショット」、いわゆるシーンモードを21種類用意しており、ポートレートや夜景など、それぞれのシチュエーションに最適な設定で撮影できる。このカメラが想定していると思われるごく普通のホームユースではこれで十分だろう。もし足りなければ、測光方式や露出補正量、彩度などをユーザー自身で設定して登録することもできる。

 中でもユニークなモードは、「カップリングショット」と「プリショット」だ。前者は画面の左右各半分を使って別々に撮影した画像をツーショット写真に合成する機能、後者はプリ撮影した構図を液晶画面に表示することにより、他の人に自分で決めた構図で撮影してもらえるようにするための機能である。記念写真などを想定したものだが、もっと別の使い方もできそうだ。

 最近では専用の充電池を使うモデルが多いが、QV-R40は単3型電池を使用する。指定はニッケル水素充電池とリチウム電池だが、アルカリ電池(※指定外の電池を使う場合は自己責任となる)でもおよそ240カット撮影できた(ストロボなし、2304×1712ピクセル/Fine)。十分といえる電池性能だろう。普段は経済的なニッケル水素充電池を使用し、バッテリー切れなどいざという時は市販の電池も使えるのは便利だ。

[西尾淳(Windy Co.), ITmedia ]

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