> レビュー 2003年8月11日 02:00 PM 更新

「PS2っぽいPentium 4マシン」――GIGABYTE TA4を使ってみた(2/2)


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 一方で、マザーボード上にはAGPもIDEコネクタもなく、HDDは2.5インチ9.5ミリ厚のドライブを、光ディスクドライブはスリムタイムのデバイスをそれぞれフレキケーブルで接続するなど、スリムな省スペースPCらしく、ノートPC的構造も採用している。電源も外付けのACアダプタを利用する。


マザーボードの裏側には、PCカードスロット、光ディスクドライブ、HDDが搭載される。いずれもドライバーで支え板を外せば簡単に換装できる。HDDの容量や回転数に不満を感じたら、ドライブ単体で販売されている5400rpmや7200rpmに変更することも可能。ただし、当然ながらその場合、サポート対象外になるのをお忘れなく

 いま人気の「キューブPC」よりも一回り小さい(というか薄い)213×234×64ミリサイズの筐体にPentium 4を組み込むわけだから、なにぶん「熱」が心配になる。今回評価したTA4にはPentium 4/2.80GHzが搭載されていたが、ベンチマークやセットアップやらで半日高負荷状態で動かしていてもほんのり熱くなる程度。挙動不審になったり、筐体を触って思わず飛び上がるように熱かった、ということはなかった。

 TA4の冷却機構は非常にシンプルで、バックパネルに設置された小型ファン(筐体内の通風に使われている)とCPUファンのみ。CPUの冷却は、フットプリントを広く取り薄いフィンをたくさんつけたヒートシンクと、薄型のファンで構成されている。


CPUクーラーは薄型のファンとフィンをたくさん並べた銅製のヒートシンクで構成されている。ファンが薄いと換気効率が悪くなるため、回転数を増やし、それとともに騒音を撒き散らすことになる。だが、TA4のCPUファンは羽の数や形状などを工夫した「低騒音」タイプのものが使われている

 薄いファンと小さなファンが組み込まれたTA4。一見、騒音が気になりそうな姿かたちをしていたが、これが意外にも動作音がほとんど気にならない。起動直後にファンの回転数が抑えられるなどの、ケースファンコントロール機能がサポートされているおかげもあるが、ベンチマークを実行している間も、回転数が上がって音が気になるようなことはなかった。

 マザーボードには、DDR SDRAMに対応したDIMMスロットが2基用意されているので、512Mバイト程度の容量ならば、比較的安価な256Mバイトモジュールで実現できる。マザーボードのサウスブリッジはICH4なので、USB 2.0をサポート、加えてIEEE 1394と10/100BASE-TXもオンボードコントローラでサポートしている。

 興味深いのは、マザーボードにPCIスロットが1基用意されているところ。筐体のどこを見てもPCIカード用のブラケットがないので、残念ながらPCI対応の拡張カード(PCIのビデオカードが差せると、TA4唯一の弱点である3D描画性能をカバーできるのだが)を実装することはできない。

 一つの可能性として、MSIやASUSTeKが過去に試みた「無線接続」のための拡張カードが考えられるが、現時点で、GIGABYTEから正式なコメントは出ていない。せっかくあるPCIを死蔵させておくのはもったいない。拡張性が厳しいミニPCであるからなおさらのこと。

 とはいっても、ライバルベンダーが試みた「無線接続拡張カード」なら、同じことがUSBでできてしまうわけだからほとんど意味はない。ここはぜひとも、バックパネルを改良して、ロープロファイルのPCIカードが使えるようにしていただきたいところだ。

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[長浜和也, ITmedia ]

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