低価格な“iPodキラー”の実力は?――HDD携帯音楽プレーヤー「Zen NX」(2/2)Zen NXとiPodの主な仕様の違いをまとめてみた。今回のレビュー機は20GバイトのNX 20GBだが、iPodには20Gバイト版がないので、最上位機種の30Gバイト版同士で比較を実施。iPodはHDDの容量によってサイズや重さが異なるが、Zen NXではHDDの容量以外は20Gバイト版と30Gバイト版の仕様は同じだ。
従来のZenシリーズは、PCインタフェースとしてUSBのほかにIEEE1394も用意されていたが、Zen NXはUSBのみとなった。USB 2.0接続の場合、アルバム1枚分のMP3データ(40M〜50Mバイト)の転送は10数秒で終了し、IEEE1394接続と変わらない高速転送が行える。ちなみに、同じデータをUSB 1.1接続で転送すると1分以上かかってしまう。
Zen NXのPCインタフェースはUSBのみ。USB 2.0接続なら、アルバム1枚分の転送は10数秒で終了 スペック上でのZen NXの大きな優位性は「バッテリーライフ」と「価格」だろう。iPodはやはり「サイズ」のメリットが大きいが、ストレージクラス対応によって高速転送が行える外部HDDとして使える点も見逃せない。 Zen NXも、付属のソフトウェア「File Manager2」によって“擬似的”にストレージクラスに対応し、外部HDDとして利用できる。従来のZenシリーズに同梱されていたFile Managerは、ソフトウェアを立ち上げないとファイル転送ができなかったが、新バージョンになってUSBケーブルに接続するだけで自動認識し、ストレージクラス対応の外部HDDと同じ操作感覚になった。 しかしいずれにしても、File Manager2をインストールしていないPCでは、USB接続しても外部HDDとして認識されない。これでは、せっかくの大容量HDDや高速インタフェースも宝の持ち腐れだ。この辺は、ストレージクラスに完全対応したiPodの方が使い勝手はよさそうだ。 CDからMP3/WMA形式へのデータ作成やZen NXへの転送は、付属の音楽管理ソフト「Creative MediaSource」を使って行う。CDDB対応で、英語だけでなく日本語の曲データもそのまま取得可能。従来の音楽管理ソフト(Creative PlayCenter)よりもシンプルな画面構成だが、必要十分な機能は用意されており、AudioSync機能によってPCとZen NX間の音楽ファイルを完全に同期させることができる。
もちろん本体表示も日本語に対応 iPodではサポートしていないWMA形式に対応しているため、MP3とほぼ同じ音質でより多くの曲数が収録できるのもZen NXのメリット。WMAでの収録曲数は8000〜12000曲となり、アルバムCDなら600〜800枚以上に相当する。筆者の場合、たぶん一生で聴くアルバムCDをZen NXのHDD容量でまかなえるだろう。 昨年、GIGABEATで市場参入したものの振るわなかった東芝も、HDD携帯音楽プレーヤーの意欲的な新製品を8月21日に発表すると予告している(別記事を参照)。 HDDの大容量化が進み、一生分の音楽CDが収録できるようになったからこそ、HDD携帯音楽プレーヤーにも長く使えるための「高機能」「デザイン」「将来性」が求められている。「低価格な“iPodキラー”」として登場したZen NXは、HDD携帯音楽プレーヤー市場のすそ野を広げてくれることは間違いない。Zen NXの今後の製品展開で望むのは、現状の性能を維持しながら、さらなる小型化とデザイン性の向上を図ること。愛着を持って長く使える“こだわりの製品”なら、もう少し値段が高くても筆者はかまわないのだが。 関連記事 HDD内蔵プレーヤー「Zen」に軽量化した新モデル iPod独走に“待った”――超薄型GIGABEAT発売? 東芝がティザー広告 関連リンク クリエイティブメディア [西坂真人, ITmedia ] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 前のページ | 2/2 | 最初のページ モバイルショップ
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