本当は開発されていなかったOS X版RealPC3Dアクセラレーションへの対応など、期待が高まっていたRealPCのPCエミュレーション機能は、結局世に出ることはなかった。それどころか、OS Xネイティブ版は1行のコードすら書かれていなかったという。
FWBはPCエミュレーションソフトウェア、RealPCの開発を中止したことを同社のウェブサイトで公表した。今はMicrosoftの所有物となってしまったConnectixのVirtualPC以外の選択肢を探しているMacユーザーの希望は、このニュースで打ち砕かれてしまった。 FWBは6月にMacCentralに対してMac OS Xネイティブ版のRealPCが開発中であると語った。FWBで当時、販売・マーケティング担当副社長であったマーク・プレウィット氏は、Microsoftとの間に起きた登録商標問題のため、一時的に開発をストップしていたと述べていた。 プレウィット氏はMacCentralに対し、RealPCのOS X対応版はハードウェアベースの3Dグラフィックアクセラレーション機能を活用し、Windows用ゲームなどの3D性能を必要とするソフトがMacエミュレーションで復活できると述べていた。VirtualPCは3Dfxグラフィックカードの時代に実装して以来、この機能は搭載していない。 プレウィット氏はFWBのリリース計画の概略を述べていた。同社はソフトウェアのベータテストを7月に予定し、早ければ8月に店頭販売を開始する。RealPCを4月までに購入したユーザーは無償アップグレードを提供し、それ以前のバージョンからのアップグレード料金はわずか20ドルだと話していた。 悲しいことに、このうち実現したものは何一つない。MacCentralとのインタビューのわずか2週間後にはFWBは経営陣が刷新され、前経営陣を退去させるためにカリフォルニア州裁判所による司法命令が執行される騒ぎとなった。 経営刷新後に就任した社長のマーク・ハーロウ氏とCEOのマーコ・コスタイコ氏は「RealPCの状況に関する前経営陣の主張を調査中」としており、その経過についてはできるだけ早く提供すると述べた。また、ソフトウェアデベロッパーであるTri-EdreとProsoft Engineeringに対して「彼らの希望に反してFWB Backup Toolkitの販売を継続したこと」について謝罪した。 そしてRealPCの中止は決定事項となった。コスタイコ氏はFWBの前経営陣は「ベーパーウェア」を出そうとしていたと断罪した。 「さらに詳しく調査し、以前のスタッフに話しを聞いたところ、開発は正式にはスタートしておらず、コードは1行も書かれていないことが判明した」とコスタイコ氏。「FWBは現時点で、OS X版RealPCを新たに作り上げるだけの基盤となるソースコードを受け取ってもいなかった。RealPCについてはベーパーウェアの宣伝に会社として加担することになってしまい、申し訳なく思っている」と同氏。 FWBはライセンス料金を含めたRealPCの開発コストを検討した結果、「この製品計画は魅力的なものではない」と付け加えた。FWBは結論として、同ソフトウェアの開発を終了した。同社はその替わりに現行のHard Disk Toolkit、RAID Toolkitなどのディスクユーティリティの開発に専念する計画である。 関連記事 RealPC for OS Xのリリースが遅れた理由は、MSからの「警告」 Power Mac G5、Windows対応は不十分 Mac用Officeの「プロ版」はVirtual PCバンドル Mac用Officeの「プロ版」はVirtual PCバンドル マイクロソフト、「Virtual PC for Mac Version 6.1」日本語版を発表 [Peter Cohen, IDG Japan] Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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