> ニュース 2003年9月27日 04:37 AM 更新

「アップル G5ソリューションフェア」レポート〜来場者を前にMac OS X 10.3を大々的にデモ〜(2/3)


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Pantherの新機能は100から150に

 午後1時からは、「Mac OS X v10.3」と題したセミナーが開催された。近日登場予定の新しいOS「Mac OS X v10.3」、コードネームPantherの紹介だ。日本でこれだけ多くの人を集めてのデモンストレーションは、たぶん今回が初めてだろう。

 デモを行うのはMac OS X担当プロダクトマネージャーの櫻場浩氏。


 まず、Mac OS Xのアクティブユーザー(買っただけ、インストールしただけの人は含まない)が現在700万人に達していることをアピール。「Mac OS Xの中で暮らしている人がこれだけいるのです」(櫻場氏)。

 そして、Pantherの紹介に入った。以下は、そのデモの内容の抜粋だ(もちろん文責は、筆者こばやしにある。また、わたしの感想やツッコミは<>カッコに入れて表記する)。なお、ここに挙げる画面写真は、このセッションのデモのスクリーンを撮影したものだ。まだβバージョンなので、製品版とはデザインが変わる可能性がある(なにより、まだメニューなどが英語表記だ)。


 6月のWWDC(Worldwide Developers Conference 2003)では、Pantherに「100の新機能」というキャッチフレーズを付けたのだけど、その後、機能が増えてしまって、今では「150以上の新機能」になってしまっている。

 さて、Mac OS XがUNIXベースであることは周知のとおりだけど、その部分での改良も進んでいる。


 IPv6については、実は現在のMac OS X 10.2でも対応はしていたのだけど、ターミナルからコマンド入力する必要があった。しかしPantherでは、「システム設定」の中にIPv6の設定が含まれるようになった。IPv6の環境にアクセスできる人はぜひ実感してみてほしい。また、Mac OS Xの描画エンジンQuartzに、UNIXアプリケーションからもPythonを使ってアクセスできるようになった。

 その一方で、Windows環境との親和性も高まっている。Active Directoryにも対応しているし、ネットワーク上でWindowsマシンにつながったプリンタへも印刷できる。また、Mac OS Xで使うホームディレクトリを(Windowsの)SMBサーバ上に置くこともできるようになった。Pantherは「オープンの極致であるUNIXと、その対極にあるWindows」の両方と仲良くできるのだ。

 大きく変わったのはFinderだ。まず、基本的な考え方は「ユーザー中心」(User Centric)ということだ。今まで表示など、コンピュータ側の都合に合わさせられていた部分が多々あるのだけど、それを極力減らすように努力した。

 Finderのファイル表示は、iTunesで見慣れたような、左側にコンテンツの大本のようなもの<苦しい表現だけど、ソースとかそういうニュアンスだと思う>、右側にその内容というスタイルになった。そして、左側の「サイドバー」部分に、自分がいつも使うディレクトリをドラッグ&ドロップで登録しておくことができる。


 いつも使うディレクトリがホームの中のドキュメントの中のなんとかなんて面倒なことになってたのは、「ユーザー中心」じゃなかったからである。

 [control]キーを押しながらマウスクリックすると、その状況に応じたメニューが表示されるコンテクストメニューというものがあったのだけど、便利に使っている人がいる半面、存在すら知らない人がいた。そこで、これと同じ用途の「アクションメニュー」も新たに用意した。何かを選んでアクションメニューを開くと、コンテクストと同じものが見られる。<そろそろ1ボタンで頑張るのは苦しくなっているんじゃないだろうか>

 ファイル検索も速くなった。iTunesの検索は一文字入力するごとにどんどん絞りこまれていくものなのだけど、あれと同じように検索できる。<デモを見るかぎり、ある程度文字を入力して絞りこまれてからは間違いなくiTunesと同じ感じになるようだ。ただ、最初の数文字は、検索するよりも先に人間がキータイプしてしまう。ファイル数がめちゃくちゃ増えた時にどうなるかも気になる>

 Mac OS 9を経験しているユーザーから強いリクエストのあった「ラベル」が復活した。今度は、アイコンではなくファイル名の方に色が付く(色で囲まれる)。


 iDiskが高速化した。今までは、ユーザーがアクセスするたびに、インターネットを介してアメリカにあるサーバにいちいちアクセスしていたのだけど、これを変えた。

 iDiskを最初に使う時、サーバのディレクトリのコピーがローカルに作成される(キャッシュみたいなもの)。ユーザーは、このローカルファイルにアクセスする。これはもちろん速い。そして、OSはマシンがアイドル状態の時に自動的にサーバとローカルとのシンクをとる。これにより、インターネットにつながっていない状況でも、ローカルのコピーを使うことができるようになった。このケースでは、次に接続された時にまとめてシンクをとることになる。<これは便利。できれば.Mac以外のサーバとでも同じことができればもっといい>

 これまでファイルの選択ダイアログ(「開く」や「保存」の時に見るダイアログ)は、Finderとは異なったものだった。これを、Finderと同じデザインと機能を持ったものにした。操作の統一性が上がった。

[こばやしゆたか, ITmedia ]

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