> ニュース		2003年10月7日　01:38 PM 更新

「PSX」正式発表、“ポストビデオ”を狙うソニー

　ソニーは10月7日、「CEATEC JAPAN 2003」の会場でDVDレコーダー「PSX」を正式に発表した。ラインアップは、160GバイトHDDを搭載する「DESR-5000」と250Gバイトの「DESR-7000」の二つ。価格はそれぞれ7万9800円と9万9800円で、いずれも2003年の年末に発売予定だ。「ポストビデオ」（同社）の急先鋒として年末商戦に投入する。

CEATECのソニーブースで発表が行われたPSXの発表会。久夛良木氏は登場せず、淡々とデモンストレーションが進む
効果的な空流設計と可変速制御の冷却ファンにより、静粛性を実現したというPSX。このほか、赤、青、黄色のカラーバリエーションがある（関連記事参照）

　分類上はHDD＆DVDレコーダーだが、PSXはプレイステーション2（以下PS2）がベースだ。もちろん、PSおよびPS2のゲームに対応し、内蔵HDDとイーサネットポートによりネットワークゲームもサポート。「PS2のリアルタイムOSをデジタル家電用に拡張することで、ほかのデジタル家電とは一線を画す操作性を実現した」という。ゲームの操作感を持つHDDレコーダーという側面が、一つのウリになりそうだ。

　PSXの多機能さは周知の通りだ。ゲーム、TV録画、音楽再生、デジカメで撮影した静止画の再生にくわえ、MPEG2録画した動画をリモコンで編集する機能も搭載する。TVチューナーは地上波アナログのGRT（ゴーストリダクションチューナー）とBSアナログを搭載。CATVチャンネル（13〜35ch）にも対応している。

　録画モードは、SLPからHQまでの6モードがあり、ビットレートは既存のソニー製HDDレコーダーと共通だ。SLP使用時の最長録画時間は、DESR-5000が約204時間、DESR-7000は約325時間となる。もちろん、追っかけ再生やゲーム中のテレビ“裏”録画も可能。HDDを使うネットワークゲームのプレイ時に予約録画が始まっても支障ないという。なお、PSXが採用するEPG（電子番組表）に関しては、地上波もしくはネットワーク経由といった伝送手段も含め、まだ「検討中」という。

　DVDドライブには、DVD+-RWドライブを搭載した。ただし、当初サポートされる記録メディアはDVD-R（Videoフォーマット）とDVD-RW（Videoフォーマット、VRフォーマット）のみで、発売後にネットワーク経由のファームウェアアップグレードを通じてDVD+RW（+VRフォーマット）に対応する予定。一方、DVD+Rへの対応は未定となっている。

　編集機能は、デモンストレーションをみる限り、機能と操作の両面で“簡単”なものだった。始点と終点を指定してGOP単位のカット編集を行うというもので、残念ながら今回はそれ以上の情報がない。

動画編集中。IN点とOUT点を指定してGOP単位の編集を行う
DVDビデオ再生中。プログレッシブ再生にも対応

　音楽再生機能では、ATRAC3の記録・再生とMP3の再生が可能だ。メモリースティックスロットは「MemoryStick Pro」にも対応。一方のフォト再生機能がサポートする画像フォーマットは、JPEG、TIFF、GIFの3種類で、メモリースティックもしくはUSB接続可能なデジタルカメラから画像を取り込める。ただし、デジタルカメラは当初ソニー製のものに限られるという。

音楽再生中
画像再生は、JPEG、TIFF、GIFの3種類に対応

　インタフェースは10/100BASE-TXのイーサネットポート、USB1.1×1、メモリースティックスロット、PS1/2用のメモリーカード×2、アナログコントローラ端子×2。AV系は出力がD端子（D1/2）1系統、コンポジット、S端子の1系統、光音声出力（SPDIF）、入力もコンポジットとS端子の1系統だ。DVD再生時はプログレッシブ再生にも対応する。

　本体サイズは、縦置き時で312（幅）×323（高さ）×88（奥行き）ミリ。重量は約5.6キロ。PSXのパッケージには、専用の白いゲームパッドと専用リモコンのほか、AVケーブル、アンテナケーブル、AC電源などが同梱される。

背面。縦置きを可能にするため、端子類を覆うカバーが標準装備されている
リモコンは再生と録画のストップボタンが独立したタイプ。同社の「スゴ録」などと同じだ

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PSX（ソニー）

[芹澤隆徳, ITmedia ]

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