キヤノンが発売したデジタル一眼レフ入門機「EOS Kiss Digital」の売れ行きが好調だ。抑えられるコストを徹底的に抑え、必要十分な性能だけを抽出して高次元でバランスさせた製品で、無敵の入門機と呼べる出来に仕上がっている。
「EOS Kiss Digital」(以後Kiss D)は、デジタル一眼レフ市場での販売シェアを伸ばすために投入されたキヤノンの戦略機種である。EOS デジタルシリーズの末弟にラインナップされた、敷居の低さが特徴の入門機だ。
EOS Kiss Digitalの主要スペック
Kiss Dの購入検討者が知りたいことの上位には、“EOS 10Dとの違い”が挙がるだろう。廉価モデルとはいえ、撮像素子には10Dと同じ630万画素CMOSセンサーを搭載している。価格の差が生む機能の差は、許容できるものなのかどうか。「もう少しお金を奮発して10Dにした方が、悔いのない買い物になるのではないか?」というためらいが、決断を鈍らせるのだろう。 購入するか否かを決める判断材料は、シャッター音にあると筆者は感じた。Kiss Dのシャッター音(ミラーの稼働音)は「ぱたーん」という拍子抜けしそうな音で、その振動はただちにグリップに伝わってくる。剛性感は希薄だ。ボディはプラスチック製で、文字通り目をつぶっていてもコストダウンぶりが撮影者の手に伝わってくる。この質感を受け入れられるかどうかが、選択の分かれ道になるのではないだろうか。 とはいえ、エントリーモデルといってもキヤノン製である。技術力と資本力の両面でデジタル一眼レフを作らせたら日本一(つまり世界一)のキヤノンが、安かろう悪かろうのカメラを作るわけがない。 自社製630万画素CMOSセンサーが生み出す解像感は、すでに10Dで実証されているとおりだ。10Dのリリース時に鳴り物入りで登場した新開発の映像エンジン「DIGIC」は、発色の良さで信頼と実績を積み重ねてきた。Kiss Dはこの双方の宝を受け継いだ“生まれながらの勝ち組”であり、画質は折り紙付きと言える。 [島津篤志(電塾会友), ITmedia ] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 前のページ | 1/3 | 次のページ モバイルショップ
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