> ニュース 2003年10月17日 11:31 PM 更新

新EXILIMに見る“超薄型デジカメの進化”(2/2)


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目に見えない“大きな進化”

 石井氏が新EXILIMの進化で強調したいのは、むしろ「省電力化」だという。

 EX-S20/M20では回路プロセスを新設計するなど画像処理エンジンを大幅に変更し、エンジン部を約40%省電力化。その他、各部の低消費電力設計をさらに追求することで、従来機(EX-S2/M2)で約1時間5分だった連続撮影時間を約2時間へと大幅に延長した。

 また、起動時間約0.9秒、レリーズタイムラグ0.01秒と軽快な撮影レスポンスに、撮影画像を約0.1秒間隔で順送りできる高速再生機能も新たに加わった。


従来機種に比べて大幅な省電力化を達成。レスポンスも向上している

 「省電力化は小型化とともにカシオのお家芸。そこが他社製品との差別化にもなっている。特にEXILIMは常に身に付けて持ち歩くものなので、長時間駆動の追求は永遠のテーマ。省電力化しながらも、レスポンスは従来機種に比べて向上しており、起動時間もわずかながら速くなっている。新しいEXILIMは目に見えないところで大きく進化している」(石井氏)

 新設計された回路プロセスでは、EXILIM ZOOMで使ったLSI積層化技術「Stack MCM(Multi-Chip Module)」を採用。これは本体の小型化にも貢献しており、サイズが83(幅)×53(高さ)×11.3(厚さ)ミリと従来機種(EX-S2)と比べて幅で5ミリ、高さで2ミリ小さくなり、面積比で約10%小型化している。


新しいEX-S20(左)と従来機種(EX-S2、右)とのサイズ比較

 また、標準色のシルバーのほか、イエローとレッドのカラーバリエーションが加わったことにも注目したい。

 「カラーリングには“ゴーギャンレッド”と“ゴッホイエロー”というアーティスティックなイメージの名前付けをしている。他社で行っているようなメタリック調やダーク系、淡い色といった“落ち着いた色”ではなく、インパクトの強い個性的なものにした。カラーバリエーションは国内のみで展開する」(石井氏)


気になるCCD小型化も“EXILIM流の割り切り?”

 一つ気になる点が「CCDサイズ」だ。EX-S20/M20では、従来機(EX-S2/M2)と比べて解像度は200万画素と変わらないものの、CCDサイズが従来機の1/1.8インチから1/2.7インチと小さくなっている。CCDの小型化はノイズ増加や感度低下につながるといわれている。特に従来機が「200万画素クラスでは大きなCCDサイズ」を売りにしていただけに、CCD小型化による画質劣化が懸念されるところだ。

 「ノイズ対策として、映像エンジンにノイズリダクション機能を盛り込んだ。また、ここ1年で画像処理の技術が飛躍的に向上しているので、CCDサイズを小さくしても画質面では従来機と同等以上のものを提供できるようになった。例えば、CCD小型化で低下するといわれているISO感度も、新製品では逆に向上している」(石井氏)

 EX-S20/M20では“進化”の過程で、レンズシャッターやマクロ機能の装備など光学系が大きくなる機能アップをしながら、さらに小型化するという相反するテーマを実現しなければならなかった。CCDサイズを小さくすれば光学系をコンパクトにできるため、設計の余裕も生まれる。コンセプトが明確なEXILIMシリーズならではの“割り切り”かもしれない。

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[西坂真人, ITmedia ]

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