> レビュー 2003年11月14日 01:00 PM 更新

定番の低価格TVキャプチャカードがグレードアップ――SmartVision HG2/R(1/2)

NECの人気製品「SmartVision HG2」の上位モデル「SmartVision HG2/R」が発売される。SmartVision HG2の機能に加えて、ゴーストを大幅に軽減するゴーストリデューサーと3次元Y/C分離回路が加わった製品だ。

 周辺機器メーカー各社からTVキャプチャカードが数多く発売されているが、NECの「SmartVision HG2」(以下、HG2)は低価格な製品にもかかわらず、ハードウェアMPEG2エンコーダを搭載していることもあり、人気製品となっている。そのHG2をグレードアップさせた製品が、今回紹介する「SmartVision HG2/R」(以下、HG2/R)だ。


新たに発売される「SmartVision HG2/R」

 HG2/Rを一言で説明すると、HG2が持っていなかった画質改善機能を追加したモデルで、すでに生産終了しているが、実売4万円近かった上位製品「SmartVision HG/V」(以下、HG/V)と同等の画質を得られるようになったのが最大の特徴だ。

 機能的に見ると、同社の「VALUESTAR T」に搭載されているTVキャプチャカードが単体で発売された、と考えてよい。価格はオープンプライスだが、実売では2万円前後とのことなので、実売1万7000円台のHG2よりは高くなる見込みながら、HG/Vよりは大幅に安価で購入できる。

画質改善機能が上位製品同等に

 HG2での画質改善機能は、デジタルノイズリダクション(DNR)とタイムベースコレクタ(TBC)のみであった。DNRは画面のノイズを抑制し、TBCは画像の揺らぎを改善する機能を持つ。

 だが地上波、特に都心部では近隣のビルによる電波反射が避けられず、ゴーストが発生する。HG2/Rではゴーストを大幅に軽減するゴーストリデューサー機能と、画面の周囲だけでなく隣接フレームで画像を改善する3次元Y/C分離回路が追加されている。しかもこれらの高画質化チップは、HG/Vで使用されているものと同じだ。

 実際に画面を見ると、ゴーストリデューサーの効果は大きい。チャンネルを合わせてからゴーストが軽減されるまで約1.2秒の時間がかかるので、機能をわざわざオン/オフしなくてもその効果は実感できる。

 使用しているチップは「μPD64031A」で、これは他社を含め多くのゴーストリデューサー機能付製品に使われているが、−2.6〜+40μsまでのゴーストを大幅に軽減することができる。


ゴーストリデューサーLSI「μPD64031A」

 短時間のゴーストは発色に影響を与え、比較的長時間のゴーストはブレたような影で認識される。実際にSmartVision 2.1側で機能をオン/オフすると、ゴーストの軽減だけでなく発色も大幅な改善が得られたのが分かる。

 また、ゴーストの軽減によって、見かけの画像の複雑さも減るため、MPEG2圧縮にも好影響が得られるうえ、ファイルサイズの縮小や、デコード時CPU負荷が低減できる。ゴーストリデューサーは電波状況が悪い都市部では必須の機能と言えるだろう。


きついゴーストのある状態での画像を拡大してトリミングした。ゴーストの影響で色が薄まっている部分が大幅に改善されている。ただし、ゴーストは減ったものの部分的にはやや強調されてしまっているようだ(上がゴーストリデューサーオン。下がオフ)


SmartVision2.1の設定画面。3次元Y/C分離回路やゴーストリデューサーをオン/オフできる

[小林哲雄, ITmedia ]

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