一家に1台いかがでしょう――NEC LaVie F LF750/7D(2/3)しゃれた風貌から身軽そうな印象を受けるが、持ってみると本体重量3.4キロはけっこう手にずっしりくる。パーソナルノートやモバイルノートとは性格というか、路線が違うPCだからだ。ノートPCというよりも、どちらかというとポータブルPCの性格が強い。逆に言えば、家庭内を移動させる程度ならたいして苦にならない可搬性はある。 ポータブルPCという性格の一端は、バッテリの連続駆動時間にも見られる。標準装備のニッケル水素バッテリの連続稼働時間は約1.5時間で、モバイル系や個人向けA4/B5ファイルサイズノートに比べるとかなり短い。オプションのリチウムイオンバッテリパックを購入すれば約2.8時間使えるが、普段はACアダプタでの電源供給が前提となる。 PCの心臓部、CPUとグラフィックスの仕様はどうだろうか。CPUには、モバイルCeleron/2.0GHzを搭載する。Pentium MとIEEE 802.11b無線LANを中核としたCentrinoモバイルテクノロジや、ハイパースレッディング・テクノロジ対応のモバイルPentium 4といった最新鋭のスペックを追わない、かなりオーソドックスなものだが、普及価格とパフォーマンスを両立させるための妥当な選択と言えるだろう。メモリはPC2100対応のDDR SDRAMを512Mバイト標準搭載する。
メモリスロットは2基あるが、標準搭載のメモリモジュールで両方ともふさがっている。メモリバス266MHzと高速だ グラフィックスには、チップセット統合型の「ATI RADEON IGP 340M」を採用している。ATI Technologies製のGPUは発色や画質のよさで定評があり、ユーザーも多い。LF750/7Dも、光沢液晶「エクセレントシャインビュー液晶」と相まって、陰影の深い画像や映像を色鮮やかに表示することができる。 試しに手持ちのDVD映画を再生してみたが、コマ落ちすることもなく、質感のある映像が再現された。ちなみに、従来にない高い表現能力は、高輝度で鮮明な発色の光沢液晶パネルによるものだ。
15インチの光沢液晶パネル。XGA(1024×768ピクセル)表示で色数は1677万色
先にLF750/7Dのようなホームユース向けノートの製品コンセプトは「家庭内のどこにでも移動・設置して、好きなときにやりたいことをするための家族共有のPC」だと述べた。もう少し具体的に言うと、以下のようになる。
LF750/Fはマルチユーザー/マルチユースの使用環境に対応するために、デスクトップやハードウェアプロフィール、メールアカウントの設定を切り替えられる4個の「ファミリーボタン」を搭載している。「スタートボタン」→「ログオフ」→「ユーザーの切り換え」といった一連の操作をしなくても、ファンクションキーの上部にあるファミリーボタンを押すだけで、ワンタッチでユーザーを切り換えられるのだ。ファミリーボタンにはランプが内蔵されていて、誰がログインしているかも一目瞭然である。メールボタンも備えているので、ファミリーボタン→メールボタンの2ステップで自分宛のメールの送受信が可能だ。
スペード・ハート・ダイヤ・クラブの印が付いた4個のファミリーボタンを使えば、子供2人の標準的な4人家族までならワンタッチでユーザーを切り換えられる マルチユーザー/マルチユースには、ファミリーボタンだけでなくソフトウェア的にも対応している。「Family Ring」がそれだ。このソフトウェアが常駐していると、ログインしているユーザーをデスクトップ上で確認でき、ファミリーボタンと同様に、クリック1つで簡単にユーザーを切り換えられる。もちろん、ユーザーの追加/削除/名称の変更といったカスタマイズ機能もある(コントロールパネルの「ユーザーアカウント」と設定が連動している)。さらに、Family Ringにはカレンダーや伝言板といったユーティリティがあるので、家族への連絡や予定の管理など、家庭内のコミュニケーションツールとしても重宝するだろう。
デスクトップ右端に表示されるFamily Ring。ユーザー切り換えのほか、カレンダーや伝言板などのソフトも起動できる
[川崎 晃(ハイパーダイン), ITmedia ] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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