> レビュー 2003年11月27日 03:09 PM 更新

Windows XP Media Center Editionがやってくる――第1回
富士通 FMV-DESKPOWER C90EW/C(1/3)

10月15日に発表された「Windows XP Media Center Edition 2004」は、誰でも使える家電的PCの色彩を強めており、リビングに置いて使われることを目的としたOS、とも言えるだろう。そろそろマシンも実際に購入できる時期になってきたので、これから数回にわたって、Windows Media Centerマシンをレビューしてみたい。

 10月15日に発表された「Windows XP Media Center Edition 2004」(以下、MCE2004)は、Windows XPシリーズの4番目に登場したバージョンだ。誰でも使える家電的PCの色彩を強めており、リビングに置いて使われることを目的としたOS、とも言えるだろう。そろそろマシンも実際に購入できる時期になってきたので、これから数回にわたって、MCE2004搭載マシンをレビューしてみたい。

 まず、MCE2004の位置づけを確認しておこう。PC製品としてはミッドクラス以上のCPUを想定しているので、製品価格はやや高めだ。MCE2004発表と同時に製品を発表したメーカー、製品名、価格を表1に示しておこう。

 SOTEC、MCJとビジュアルテクノロジーが16万円以下の製品を出しているが、中心は30万以上となっている。80万円と現在のPCとしては破格の、ビジュアルテクノロジーの「VT-100」もあるが、これはオーディオにこだわった仕様を取っているためだ。MCJが唯一10万円未満のマシンを出しているが、これだけがメモリ256Mバイトと、標準搭載量でしわ寄せが来ているためだ。なお、17万円未満のマシンはすべてディスプレイは別売となっている。

表1■各社発表済のMCE2004マシン(想定価格順)
社名価格CPUメモリ型番・製品名
ビジュアルテクノロジー79万8000円Pentium4/2.60C GHz1GバイトVT-100
日立42万円前後Pentium4/3.0GHz512MバイトPrius Deck 770G/770G20TVP2
東芝37万5000円前後Pentium4-M/2.4GHz512MバイトDynaBook G9/X24PDCWTB
東芝35万円前後Pentium4-M/2.4GHz512MバイトDynaBook G9/X24PDCWT
NEC33万円前後Pentium4/2.60C GHz512MバイトVALUESTAR U VU700/7G
富士通30万円前後Athlon64 3200+512MバイトFMV-DESKPOWER C90EW/C
デルコンピュータ19万4800円Pentium4/2.60C GHz256MバイトDimension 8300
デルコンピュータ18万9800円Pentium4/2.60C GHz256MバイトDimension 9400C
ビジュアルテクノロジー16万8000円AthlonXP 2000+512MバイトVT-50 スタンダードモデル
MCJ15万9800円Pentium4/2.60C512MバイトEasyCube M/M61D
ビジュアルテクノロジー15万8000円AthlonXP 2000+512MバイトVT-50 ベーシックモデル
SOTEC13万円前後Athlon XP 2500+512MバイトPC STATION PA7250MR
MCJ9万9800円Athlon XP 2200+256MバイトPureCube M/M41C

(デルコンピュータはオンラインショッピング割引なし、ディスプレイ付きの最小構成例。その他製品も基本構成例に基づく)

 OSそのものはWindows XP Professioinalベースで、このため家庭用OSとしては不要とも思えるドメインへの参加、ファイルの暗号化、ファイルレベルのアクセス権設定が利用できるが、スマートディスプレイを使うために必須な「リモートデスクトップ接続」のホスト機能は備えているので、Windows XP Home Editionとの差別化という感もある。

 中核となる独自機能が、TV/ラジオの視聴や録画/再生、DVDコンテンツやPCに取り込んだ静止画/音楽の鑑賞などのための統合アプリケーション「メディアセンター」だ。


TV/ラジオの視聴や録画/再生、DVDコンテンツやPCに取り込んだ静止画/音楽の鑑賞などのための統合アプリケーション「メディアセンター」

 この拡張機能を生かすため、TVチューナ/エンコーダーチップの搭載や、リモコンの装備が必須となっている。ミッドレンジ以上のCPUを搭載し、なおかつ付加機能があるため、価格的にはやはりミッドレンジよりも高いものとなってしまう。

 リモコンには緑のWindowsボタンがあり、これを押すとメディアセンターが起動する。個人的には緑というとWindows XP Home Editionという印象があるので、マイクロソフトブルーの方が好みだが、Windows XP Home Editionとあわせた家庭向けのカラーなのだろうか。


リモコンには緑のWindowsボタンがあり、これを押すことによってメディアセンターが起動する

 蛇足だが、MCE2004はOEM製品のみでパッケージ市販されない。これはビデオなどの機能を盛り込むというミニマムスペックを満たすためということだが、自作で超静音マシンを作るというようなマニア心を満たすことはできない。

 リビングで使うという脱マニアOSなので致し方ないところだが、AV界にはPC以上にマニアの集まる市場なので、この辺のニーズを満たすのは難しそうだ。個人的にはカノープスあたりに「こだわりの製品」を出してもらいたいがどうだろうか。

 今回のレビューは単なるPCレビューではなく、本当にリビングにおいて使えるマシンなのかに着目している。リビングでウルサイもの(たとえば掃除機)は常に置いてもらえるものではない。せめて安ビデオデッキが再生録画でうなっている程度、暖房のファンヒーターが燃焼中の程度の騒音が体感的に我慢のできる限界だろう。また、テレビやDVDプレーヤーの機能を考えると、ある程度の音質は欲しい。セットアップの容易さにも着目したい。このため、レビューは実際に我が家のリビングにおいてチェックした。

[小林哲雄, ITmedia ]

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