アドビ、新統合「Creative Suite」と主力4製品日本語新版を発表アドビシステムズは12月4日、新統合パッケージ「Adobe Creative Suite 日本語版」と同社主力4製品の日本語版新バージョンを1月中旬から発売すると発表した。すでに米国では9月29日に発表し、10月27日から発売されている製品群の日本語バーション。
新統合パッケージ「Adobe Creative Suite」 統合パッケージは、6製品をセットにした「Adobe Creative Suite Premium 日本語版」(アドビストア価格19万8000円、アップグレード版12万8000円、アカデミック版6万9800円)と、4製品をセットにした「同Standard 日本語版」(16万8000円、アップグレード版9万8000円)の2種類が用意される。Creative Suiteのセット内容と、同社直販サイト(アドビストア)での各製品の価格は以下の通り。(セット内容でAcrobat 6.0 Professionalのみ既発売のバージョン)
新しい統合パッケージ「Creative Suite」の最大の特徴は、新ファイル管理ツール「Version Cue」と各製品の連係機能強化によって、各アプリケーション間のデータの受け渡しなどをよりシームレスにするなど“製品間の緊密な相互連係”が図られた点だ。 Creative Suiteおよび各新バージョンの製品詳細は別記事や9月30日の米国発表会記事を、新統合パッケージをリリースしたAdobe Systemsの狙いは10月17日のインタビュー記事を参照してもらいたい。 本日の日本語版発表会にあわせて、Adobe Systemsシニアバイスプレジデントのジム・ヒーガー氏が来日。「次世代のデザインソリューションのキーワードは“Great Design”。それはエレガントで機能的で将来指向型であること。これはわれわれの製品ソリューションと同じ。われわれは常にシンプルでエレガントな製品を目指し、ユーザーのビジネスの妨げにならないような機能性を求めてきた。将来についても、ユーザーの方向性とニーズを確実につかんだソリューションを提供していく方針だ」など、デザイン市場の動向や同社の製品戦略について語った。
Adobe Systemsシニアバイスプレジデントのジム・ヒーガー氏 またアドビシステムズ社長の石井幹氏は「デザイナーは、貴重なビジネスタイムの1割を運用管理などITアセットマネジメントに費やしている。Creative Suiteは、本来、デザイナーが時間を割きたい“クリエイティブワーク”に専念できるようにした製品群。新しくなった主要4製品はアプリケーション間の連係を大幅に高めており、新開発のAdobe Version Cueなどでファイルのアセットを効率よく管理できる」とCreative Suiteを紹介した。
また、特別ゲストとしてクリエイティブディレクター/アートディレクターの佐藤可士和氏が、同社製品群を利用するユーザー側の意見を紹介した。
クリエイティブディレクター/アートディレクターの佐藤可士和氏 佐藤氏は博報堂から2年前に独立し、“Smap”のロゴだけを前面にアピールしたスマップの街頭広告や、絵本のようなビジュアルが話題となったホンダ ステップワゴンのCM、キリンの発泡酒「極生」「生黒」の広告キャンペーン、スマップ木村拓哉を起用したTBCのCMなど、幅広い分野で活躍している。 「博報堂時代、1989年5月に発売された初の日本語版Illustratorから使っていた。最初はコンピュータでデザインするということに先輩などの中にはよく思わなかった人もいたが、今ではそれが当たり前になっている。Adobe製品群を使ったコンピュータによるデザインは、自分のイメージできなかったものをビジュアル化できる有効なツール。デザイナーとコンピュータは、ミュージシャンと楽器の関係。デザインの過程で、コンピュータは、最初に生み出したイメージを増殖させていくことができる」(佐藤氏) 佐藤氏は、六本木ヒルズに今年4月オープンした「TSUTAYA TOKYO ROPPONGI」での、自らIllustratorなどで手がけたデザイン例を挙げ、実際のデザイン現場におけるAdobe製品群の重要性をアピールした。
TSUTAYAの新ビジョンを示す“T”のマーク。
青と黄色の2色使いで単なる正方形を9つ集めて作ったシンプルなデザインだが、それを佐藤氏は、色の変化のリアルタイム確認、マークを多数並べることによる新デザインの創造、最終イメージがビジュアルですぐに確認できる点など、Adobe製品群でのデザインワークの応用例を紹介した
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