> レビュー 2003年12月4日 05:18 AM 更新

1.5Gバイトは“必要十分”――小型HDDオーディオプレーヤー「MuVo2」(2/2)


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音質は大満足、操作性にやや難あり

 「小型でも音質には一切妥協していない」(同社)というサウンドは、SN比で98dBと数値上でもハイスペックだ。付属のインナーイヤー型ヘッドフォンも、一般的なフェライト磁石の約10倍もの磁力を持つ「ネオジウムマグネット」を採用した高音質タイプになっている。

 だが、欧米人仕様になっているのかヘッドフォンが少し大きめで、中高音はいいが低音が弱めに感じる。これは、筆者が普段、耳栓型のヘッドフォンを使っているからかもしれない。

 筆者が最近愛用している“耳栓型”は、ソニーの「MDR-EX71SL」(5000円、実売4000円前後)とKOSSの「The Plug」(オープン、実売2000円前後)。 どちらも低音重視タイプなので騒音の多い戸外でも聴きやすく、“ドンシャリ”的な高音域を抑えてあるため長時間の使用でも疲れない、耳栓型なので音楽に集中できる、という特徴がある。両方とも試してみたところ、MuVo2には“強”低音/“弱”高音のThe Plugの方が向いていた。


筆者愛用のソニー「MDR-EX71SL」とKOSS「The Plug」

 インタフェースはいたってシンプルだ。メニューボタンも兼ねた「方向キー」と、長押しすると電源ON/OFFが行える「再生・一時停止ボタン」の2つしかない。方向キーで音量調整(上下)や曲のスキップ(左右)を行うのだが、つい押し込んでしまってメニューが出てしまうことがたびたびあった。

 シンプルな液晶ディスプレイは、表示エリアは狭いが必要十分の情報は確認できる。デフォルトの言語は英語だが、設定で日本語を選択すれば漢字かな混じりの曲名も表示できる(ID3タグの日本語表示可能)。


言語は日本語を設定可能。曲名表示も日本語対応

“小型軽量であること”

 筆者は1年半ぐらい前から“WMA派”となり、PCのHDDにはモバイル音楽用として64KbpsWMAファイルの音楽ライブラリーがかなり増えてきた。先日、愛車のオーディオもWMA対応CDプレーヤーに換えて、WMAライフがますます充実している。700MバイトのCD-R1枚に25枚前後のアルバムを入れてあるのだが、このCD-Rが2枚もあればその日のドライブで“音楽に飢える”ことはまずない。CD-R2枚分という容量は、ちょうどMuVo2のHDD容量と重なる。

 また、Hitachi Global Storage Technologies(HGST)や米国の新興メーカーCorniceなどが大容量化をアナウンスしているように、1インチHDDは近い将来4G〜5Gバイトクラスに容量アップすると見られている。今後は、MuVo2のような小型のHDDオーディオプレーヤーがもっと増えそうだ。


常に携帯するモバイル機器は“小型軽量であること”が重要

 数千曲が収録できるiPodのような「音楽サーバ」的な製品も魅力を感じるが、常に携帯するモバイル機器は、なによりもまず“小型軽量であること”が重要であると思う。「私はiPodで十分満足している」という人も、PCショップの店頭などで一度MuVo2を手にとってみてもらいたい。ポケットのiPodが、初めて“大きく重く”感じるかもしれないから。


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[西坂真人, ITmedia ]

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