> レビュー 2003年12月6日 01:56 AM 更新

「ハレの日」デジカメ――“イチヨンパ”のイオン「DZ-338」(2/3)


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 このケースはおそらく、キャンペーンの景品など販促用グッズ向けの対策だろう。ハードケースだけ特注すれば、簡単に“コカコーラ”カラーや“BOSS”仕様の販促デジカメが出来上がるというわけだ。


プラスチック製の収納用ハードケース。販促用グッズ向け対策か?

 以前、富士フイルムアクシアの担当者に「eyeplate mega」の販売戦略について聞いたことがあるが、その担当者によると、1万円前後という価格設定と、カラーリング(企業名入れ)がしやすいボディというのが販促用グッズには欠かせないポイントらしい。来年あたり、赤や紺色のハードケースをまとったDZ-338が、景品のメダマとして登場しそうだ。

いちばん気になる画質は?

 撮像素子には有効314万画素のCMOSセンサーを使っている。一般的に、CMOSセンサーはCCDに比べて周辺LSIなどトータルな構成で、イメージセンサー部を低コストで作れるといわれている。DZ-338も価格を抑える手段としてCMOSセンサー採用に至ったのだろう。

 CMOSセンサーを使った低価格機は、ハイライト部やシャドー部の階調表現が苦手なケースが多い。そのあたりの実力を確かめるため、明暗が激しいシーンを撮影してみた。


オート(ISO 40、F3.5、1/12秒)

 上の写真は、森の中で飼われているロバを撮影したもの。全体的には日陰なのだが、ところどころで西日が差し込んでおり、その日光がロバの体に当たっている。白トビが目立ち、ダイナミックレンジの低さが見て取れる。


オート(ISO 40、F3.5、1/7秒)

 この神社の写真も、日陰の中に日光がところどころに差し込むというシーン。ロバの写真よりは頑張っているが、それでも直射日光が当たっている神社の奥側の屋根が、完全に白トビしてしまっている。

 これらの2枚の撮影データを見て、気づいた読者もいるだろうが、なんとこのデジカメはISO感度とF値が固定なのだ。F3.5には目をつぶるにしても、ISO 40という低感度には閉口した。このせいで、日陰/曇天/雨天/室内など暗いシーンの撮影になると、シャッタースピードが極端に遅くなってしまうのだ。

 スローシャッターには、当然のように手ブレがつきまとう。今回のレビューでは何日間かに渡ってさまざまな天候で撮影を行ったのだが、曇天や雨天に撮ったものは、手ブレでほとんど使い物にならなかった。上の2枚の写真はいずれも手ブレゾーンのシャッタースピードだが、手すり(ロバ)やブロック塀(神社)を使って本体を固定したため、ブレずにすんだ。


オート(ISO 40、F3.5、1/23秒)。手ブレの心配のないこのぐらいのシャッタースピードなら、手持ちでも撮影できる

 単焦点のレンズは、35ミリ換算で34ミリと単焦点カメラの画角としては標準的なもの。4倍のデジタルズームを搭載するが、下の写真のように画質は期待できるものではない。


4倍デジタルズーム、オート(ISO 40、F3.5、1/27秒)

 また、DZ-338は画素補間機能で最大2976×2232ピクセルでの撮影が可能で、デフォルトではこの解像度に設定されている。だが内部の画像処理エンジンが遅いためか、この最高解像度だと撮影から画素補間を経て保存完了まで16秒もかかってしまう。これではとても使い物にならない。3Mピクセルの本来の実力である2048×1536ピクセルモードなら2秒ほどで保存できるので(これも一般的なデジカメと比べると遅いが)、通常の使用ではこちらがメインになるだろう。

太陽の下で実力を発揮

 暗い場所では手ブレに悩まされることの多いDZ-338だが、太陽の光がまんべんなく降り注ぐ晴天下になると、やっとその実力を発揮する。

[西坂真人, ITmedia ]

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