メカニカルな機構で顔の動きを自動追跡するロジクールのWebカメラ「Qcam Orbit QVR-1」。ビデオチャットで相手の動きを確実に捉えるためのそのシステムは、アプリケーション次第で監視用途にも使用できるなど、応用範囲は広い。この“次世代型Webカメラ”をレビューで探ってみた。
ロジクールが11月に発表したWebカメラ「Qcam Orbit QVR-1」。メカニカルな機構で顔の動きを自動追跡するというこれまでにない機能が注目を集めている。発表当初は11月28日には店頭に並ぶ予定だったが、出荷の遅れなどで来年1月に発売が延期されたようだ。 オープン価格で同社直販サイトでの価格が1万9800円と、数千〜1万円以下が主流のWebカメラでは破格値。だが、Webコミュニケーションを高めるツールとしてだけでなく、常時接続環境と組み合わせて新たなネットワーク利用法にも応用できそうだ。この“次世代型Webカメラ”の可能性を、発売前にチェックしてみた。
メカニカル機構で顔の動きを自動追跡するWebカメラ「Qcam Orbit QVR-1」 Qcam Orbit QVR-1(以下、Orbit)は、小型モーターを使っての機械的なパン(左右の首ふり)/チルト(上下の首ふり)機構を装備した有効30万画素(640×480ピクセル)CCD搭載のWebカメラ。可動範囲は左右に約128度、上下に約60度で、その視野角は左右約180度・上下90度となる。部屋の壁際にOrbitを設置すれば、ほぼ部屋中を見渡せる視野の広さだ。最短16センチから無限大までピントが合うパンフォーカスで、3倍のデジタルズームを備える。
可動範囲は左右に約128度、上下に約60度。視野角は左右約180度・上下90度と広い 丸い目玉スタイルは従来のQcamシリーズを踏襲するデザインだが、上下のチルト機構部分にスリットが入っているさまは、ザクをはじめとするジオン軍モビルスーツを象徴する「モノアイ」を思わせる。スリット内のCCDユニットの動きは上下で、左右のパン機構は台座部を軸にして目玉全体が回転するのだが「これが逆だったら、まんまザクなのになあ」と変なところで悔しがってしまう。
USBに接続するとCCDの左側に赤くLEDが光るのも、モノアイっぽい雰囲気満点。できるならCCDレンズ内部をピンク色に光らせて欲しかった。ここまでくると赤く塗って3倍速くしたくなる(何を?)。「見せてもらおうか、連邦のモビルスーツの性能とやらを」 (C)創通エージェンシー・サンライズ 台座部の左右パン機構は、同梱している21センチほどのシャフトが取り付け可能。これによって、CCDカメラの高さを11センチ(シャフトなし)と32センチ(同あり)の2段階に調節できる。シャフトを取り付けたスタイルで机に置くと、ちょうど顔の位置とCCDカメラ部とが水平になり、上下約60度の可動範囲を最大限に生かせるようになるという仕組みだ。
顔の位置とCCDカメラ部とを水平にするためのシャフトが同梱 シャフトを軸にクルクル回るさまは、SF映画に出てくるロボットの目玉のよう。台座部にはウェイトが入っているので、重心が高くなることでの不安定感は少ない。USBケーブルは約2.7メートルあるので、設置時のケーブル取り回しに苦労することもないだろう。
上下左右に自由自在に動く機構の目的は、Webカメラ画面上での的確な“顔の捕捉”だ。 IM(インスタントメッセンジャー)との連係機能を強化した付属ユーティリティソフト「QuickCam8.1.1」は、MSNメッセンジャーとYahoo!メッセンジャーの“2大IM”にワンクリックで接続することができ、それぞれのIMが持つビデオチャット機能を使って、簡単にTV電話を楽しむことができる。
「QuickCam8.1.1」のインタフェース。“2大IM”にワンクリックで接続可能 Webカメラを使ったビデオチャットでは顔の表情を見ながら会話できるのが最大のメリットだが、そこで問題となるのが“相手の動き”だ。
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