> レビュー 2003年12月17日 07:02 AM 更新

“モノアイ”があなたの動きを追う――Webカメラ「Qcam Orbit」(2/3)


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 Webカメラを使ったビデオチャットでは顔の表情を見ながら会話できるのが最大のメリットだが、そこで問題となるのが“相手の動き”だ。

 けっして高画質ではないWebカメラで顔の表情をつかむには、画面いっぱいに顔を映すのがベスト。だが、フレーム内に顔を大きく入れると、ちょっとした体の動きで顔がフレームから外れてしまう。そのたびに手でWebカメラの位置を修正するのはさすがに面倒だ。

 Orbitに付属するQuickCam8.1.1は、人の顔を認識して顔が画面の中心にくるようにカメラの角度を自動調節する「Face Tracking」機能と、顔の大きさを一定に保つ「自動ズーム」機能を装備。これによって、体を上下左右前後に動かしても、フレーム内に最適な大きさで顔を捉えることができる。

 特にFace Trackingのできは秀逸。イスに座って体を動かすといったIM時にありがちなシチュエーションなら、ほぼ確実に顔を捕捉して追尾する。肌の色合いや輪郭などから顔を判断するので、書類など顔以外のモノがWebカメラの前を横切っても、誤動作(追尾)することはない。


ビデオチャットで気になる“相手の動き”を自動で修正して最適な顔の大きさにする

 試しに、家の中で一番人間の顔に近いミルク飲み人形(子供の所有物。念のため)は、人の顔と判断して追尾した。ちなみに、QuickCam8.1.1は14カ国の言語バージョンが用意されており、あらゆる肌の色の人種に対応しているという。

 それに対して自動ズームは、ズームアップ中に顔を大きく動かすと顔を見失って最大ズーム(300%)で止まってしまうということが多かった。ズーミングが必要な“前後の動き”は、上下左右の動きに比べたら少ないので機能をオフにしてもそれほど気にならないが、イスの背もたれに寄りかかったり、身を乗り出した時などはズームも必要。これはメカニカル的な欠点ではないので、ソフトウェアの今後のバージョンアップに期待したい。

Orbitを“可動型監視カメラ”に

 カメラ自身が機械的に動いて被写体を見つけるというシステムは、IM使用時の顔捕捉だけに使うのではもったいない。「Orbitを“監視カメラ”として使えないものだろうか」と誰もが思うことだろう。

 サーバ機能を内蔵した監視用ネットワークカメラで可動式の製品はすでにいくつか商品化されているが、安いものでも5万円前後はする。2万円弱のOrbitはWebカメラとしては高価だが、Orbitと休眠PCとを組み合わせれば、安価に監視カメラシステムができそうだ。しかし、Orbitに添付されたQuickCam8.1.1には、監視向けの機能は用意されていない。

 同社のWebカメラシリーズには「Digital Radar II」という動作検知ソフトを同梱している機種がある。このソフトは、Webカメラ画面内で何かが動いたときだけ自動的にビデオ撮影して保存しておくことができるという、監視カメラとしての用途を提案したものだ。

 だがOrbitには、このDigital Radar IIも同梱されていない。「顔の追尾」を“売り”にしていることからも分かるように、あくまでもIMのTV電話機能での用途を狙った商品なのだ。

 だが、ここであきらめたら単なる製品紹介になってしまう。各方面を当たって、“Orbit監視カメラ化”の方法を見つけた。

[西坂真人, ITmedia ]

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