ビーコンで必要情報をプッシュ配信、施工現場の情報共有を効率化情報化施工

清水建設と国際航業は、建設現場で利用する情報共有システムを開発した。ビーコンを利用し、作業者の位置情報に応じて必要な情報をスマートフォンなどにプッシュ配信するのが特徴だ。作業関係者間のコミュニケーション効率の向上に役立てる。

» 2017年03月23日 06時00分 公開
[陰山遼将BUILT]

 清水建設と日本アジアグループの国際航業は、屋内位置情報を活用した現場情報共有システムを開発した。建設現場における作業関係者間のコミュニケーション効率の向上を目的としたシステムで、試験導入を開始する。

 施工中の現場では設計・施工情報の変更や、資機材の移動、作業者の入れ替わりなどが生じる。こうした中で、作業関係者間のリアルタイムな情報共有を行いやすくすることは、生産性を向上させる上で大きなポイントになる。

 そこで清水建設と国際航業は共同で、GPSの電波が届かず、人やモノの位置が日々変化する建設現場に対応した位置情報取得技術を開発し、これを利用した現場情報共有システムの開発に取り組んだ。

 この現場情報共有システムは、BLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンを利用した屋内測位インフラ、位置情報にひもづいた施工管理情報データベース、専用アプリケーションソフトで構成する。現場作業者が専用アプリを導入したスマートフォンやタブレット端末を携行し、ビーコンの設置場所に近づくと、ビーコン電波から位置情報を取得する。すると、その場所にひもづけられた指示や伝達事項、最新の図面、写真データなどを端末にプッシュ配信する。

 作業者の位置情報はアプリの現場内マップ上で確認することも可能だ。施工管理者は指示伝達を作業者の居場所を踏まえて行えるようになり、効率化が見込めるとしている。両社は今後、実際の建設現場への実証導入を進め、現場のニーズに合わせてシステムの改良を進めていく方針だ。

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