照明器具1台ごとの消費電力量まで監視可能、ビル向けの照明集中管理システム:エネルギー管理
照明機器が消費する電力量を抑えるためにLED照明を導入する例が増えているが、節電活動の効果を上げるには、照明を細かく点灯/消灯するなどの工夫も必要だ。パナソニックはビル全体にある照明器具1台1台を一括管理するシステムの販売を始める。
パナソニック エコソリューションズ社はビルに取り付けた照明器具の集中管理を可能にするシステム「FreeFit MX」を発表した(図1)。2012年9月1日から受注を始める。価格はオープン。最大の特徴は通信機能を持たせた照明器具と組み合わせることで、システムと照明器具1台1台が通信できるようになり、1台1台を別々に制御したり、1台1台の状態を把握できるようになった。FreeFit MXでは、最大で65,536台の照明器具を管理できる。
図1 FreeFit MXのシステム構成例。背景が水色になっている部分が、FreeFit MXのシステムを導入したところ。同じビルの中でも、部分的に導入することもできる(出典:パナソニック エコソリューションズ社)
通信機能を利用することで、照明器具1台ごとの消費電力量を把握し、そのデータをグラフなどの形で表示する「見える化」が可能になった。細かい消灯忘れを把握できるようになったほか、複数の照明器具で自由にグループ(エリア)を設定し、グループごとの消費電力量を把握することもできる(図2)。
これで、フロアごと、部屋ごと、部署ごとといった単位で照明器具の利用状況を把握できるようになった。グループは自由に変更できるので、オフィスのレイアウト変更などにも柔軟に対応できる。グループを変更するときは、中央の制御装置で設定を変更するだけでよい。配線工事は不要。
照明器具1台単位での点灯/消灯や調光の制御も可能になった。見える化の機能と同じく、複数の照明器具で自由にグループを設定することも可能(図3)。グループを設定すると、グループでまとめた照明の点灯/消灯を一括で制御できる。配線工事をすることなく、グループ変更の設定が変更できるというところも見える化の機能と共通している。例えば、1つ1つのグループを小さくし、細かく制御するということも自由にできる。
図3 従来は、まとめて点灯/消灯する照明器具を決め、それに従って配線工事していたので、点灯/消灯する器具の組み合わせ変更が難しかった。FreeFit MXを利用すると、グループを簡単に設定でき、レイアウト変更などに対応して簡単に設定を変更できる(出典:パナソニック エコソリューションズ社)
照明器具の不具合を検知する機能も備えている。点灯していない照明器具があると、中央の制御装置に通知が届く。故障している照明器具を探し回る必要がなくなるので、保守作業にかかる負荷が軽くなる。
さらに、照度センサーや人感センサー(熱線センサー)を組み合わせることで、部屋の明るさに応じた調光や、人間がいないことを確認して自動的に消灯するということも可能だ。
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