東京電力を使わないで2400万円を削減、学校用の電力をエネットから購入:電力供給サービス
企業だけではなく地方自治体でも、電力コストを抜本的に減らす対策が始まった。神奈川県の横須賀市は市内72か所の学校で使う電力の供給元を、東京電力からエネットに切り替える。2013年8月までの14カ月間の契約で、約2400万円のコストを削減できる。
東京電力が4月から電気料金を値上げしたことを受けて、横須賀市は7月1日から学校で使用する電力を「特定規模電気事業者」(PPS)で最大手のエネットから購入することを決定した。契約対象の学校は小学校が47校、中学校が22校など、合わせて71校の72施設である。
東京電力の電気料金と比べた場合、使用量に応じた単価は同額だが、基本料金が1kWあたりで291円、比率にして17.8%も安くなる(図1)。エネットと契約する14カ月間の電気料金を合計すると、約2400万円も削減できる見込みである。
今回の契約対象になる72の施設が使用する電力は合計で7485kWになり、年間の使用量は約1300万kWhにのぼる。大規模なオフィスビルの電力使用量に匹敵する規模である。
72の施設のうち28の施設は7月1日〜2013年8月31日までの14か月間、そのほかの44の施設は9月1日〜2013年8月31日までの12か月間で契約した。この契約期間中の電気料金は総額で約3億1800円になる見込みで、東京電力と契約を継続した場合に比べて2400万円を削減でき、およそ8%のコストダウンになる。
年間で考えても2000万円程度の大幅な電気料金の引き下げになるわけで、ほかの地方自治体や一般企業にも同様の動きが広がることは確実である。エネットをはじめPPSは自家発電などによって作り出した電力を企業や自治体などに販売する事業者で、国内では58社が登録されている。
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