神戸市内すべてを「節電所」に、電力需給レベルにより3段階で対策:エネルギー管理
関西電力管内の大都市、神戸が全市を挙げて節電対策に取り組む。電力需給レベルを「90%以下」「90%超97%以下」「97%超」の3段階に分けて、市内の家庭や企業に節電対策の実施を求める。市の施設では空調機器などを停止する一方で、廃棄物焼却による発電量を増やす。
大阪・京都と並ぶ関西の中核都市である神戸が、「市内すべてを節電所に」をテーマに、今夏の節電目標15%に向けた具体策を発表した。関西電力が提供する「でんき予報」の情報をもとに、需給レベルを3段階に分けて家庭向けの節電対策をまとめた。市内の全事業所にも節電を呼び掛け、目標を達成した事業所を公表する制度も設ける。
家庭向けの対策としては、「でんき予報」による電力需給率が90%以下の場合には「1回の設定で継続できる対策」として、エアコンの設定温度を28度、テレビを省エネモード、冷蔵庫の設定温度を中にする、といった無理のない節電に努める。電力需給率が90%を超えたら、エアコンの代わりに扇風機、照明の消灯、家電機器の主電源を切る、などの細かい節電をとる。さらに97%を超えた場合には、可能な限り電気製品を使わないようにする。
一方、市内の事業所に対しては、電力消費の9割を占める空調・照明・OA機器の3つに対する節電を要請した。これに合わせて節電目標の達成に協力した事業所を市のウェブサイトで認定する制度「KOBE省エネマイスター事業所(仮称)」も開始する(図1)。7月から9月の3か月間に、電力使用量の15%削減、あるいは最大使用電力の15%削減、のどちらかの節電目標をクリアした事業所を公表することで、企業によってバラつきのある節電意欲を明確にする方針だ。
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