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節電した電力を買い取る「ネガワット取引」、関西電力が周辺地域へ拡大:電力供給サービス
今夏に電力の供給量が不足する可能性がある関西電力は、新しい電力売買手法である「ネガワット取引」の対象を周辺地域へ拡大する。企業の節電によって生まれる余剰電力を買い取るもので、中部電力、北陸電力、中国電力の顧客企業にも募集範囲を広げることにした。
関西電力が夏のピーク時に想定している電力の需要は約3000万kWで、これに対して供給できる量は当初2500万kW程度と見込まれていた。このギャップが今夏に15%以上の節電を必要とする理由だが、原子力発電所の再稼働によって236万kWの発電量を増加できることになり、節電目標は低くなる。それでも需要と供給のギャップは250万kW程度ある。天候によっては電力が不足する事態も予想されるため、関西電力は追加の電力を確保する対策に乗り出した。
需要が供給を上回る可能性が生じた場合に、事前に顧客企業に依頼して可能な限りの電力使用量を削減してもらい、その削減分を買い取る方法だ。「ネガワット取引」と呼ばれるもので、これまで関西電力は自社のサービス地域内で7月2日から開始する予定だったが、隣接する中部電力、北陸電力、中国電力の3地域でも実施することを決めた。
対象になる顧客企業は契約電力が500kW以上の大口ユーザーに限られる。関西電力が供給量の不足を予想する事態になった場合に、「アグリゲータ」の役割を担う会社に依頼を出し、アグリゲータが各地域の顧客企業から余剰電力を買い集める(図1)。売買は入札形式で実施され、単価の安い企業から順に必要な量に達するまで電力を買い取る方法だ。そうして買い集められた電力を各地域の電力会社が関西電力に融通して、電力不足を回避する。
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