ニュース
節電は夏だけでは済まない、冬のほうが電力を使う:エネルギー管理
北海道電力は今年の冬に電力の需給バランスが厳しい状況になることを早々と公表して、抜本的な対策に着手した。節電と言えば暑い夏を想像しがちだが、寒い冬に電力不足が懸念される地域は北海道だけではない。東京電力など東日本のほか中部・北陸・中国の電力需要は夏よりも冬のほうが多い。
まだ予断を許さないものの、今年の夏は心配されていた計画停電は避けられそうな状況だ。企業と家庭の双方で節電対策が進められた効果は大きいとみてよい。しかし節電対策は夏だけではなくて冬も必要になる。実際に各地域における過去の電力需要を見ると、冬の1月から2月は夏のピークと変わらないほどの大きな数値になっている。
東京電力は2011年12月から、毎月の最大電力と供給量を日別にカレンダー形式で公表している。その2月分と7月分を比べると意外なことが分かる。2月に最大電力を記録したのは2月2日(木)の4952万kWで、需給率は92%に達している。2月の29日間のうちに90%を超えた日が5日もある(図1)。
一方、7月はどうか。梅雨が明けて一気に暑くなった7月27日(金)に5038kWの最大電力を記録した。それでも2月2日の最大電力と比べるとわずか2%ほど多い程度である。しかも7月の31日間で需給率が90%を超えたのは4日しかない(図2)。昨年の冬に比べて節電対策が進んだ効果と見ることもできるが、いずれにしても冬の節電対策が夏に劣らず重要であることは明らかだ。
関連記事
- 電力需要のピークは夏よりも冬、1月の月間使用量が最大
特に家庭向けが全国各地で増加 - 1月の電力需要は前月比16.5%増加、家庭向けが全国で大幅な伸び
沖縄を除く9地域で2ケタ増に - 電力需要のピークが全国で拡大、昨年度よりも減るのは北陸だけ
2021年度まで増加を見込む電力会社
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.