電気自動車があるスマートマンション、蓄電池の機能で電力も供給:スマートホーム
いよいよ電気自動車の機能をフルに活用した高層マンションが2014年春に東京で実現する。日産のリーフを使ったカーシェアリングサービスのほか、リーフに搭載されている蓄電池からマンションに電力を供給する「V2H(Vehicle to Home)」も可能になる予定だ。
三井不動産レジデンシャルが都心に近い江東区東雲(しののめ)に建設中の地上43階建てのマンション「パークタワー東雲」(図1)で、日本で初めてと言える電気自動車を使った各種のサービスを提供する。
特に注目すべきはマンションの電力供給源として電気自動車の蓄電池をフルに活用する点で、将来は電気自動車用の蓄電池を再利用して長期的に運用コストを低減する狙いだ。
このマンションで提供するサービスは4種類を想定している(図2)。電気自動車用の充電器をマンションの敷地内に備えるほか、日産のリーフを常駐させたカーシェアリング、電気自動車からマンションに電力を供給する「V2H(Vehicle to Home)」、さらに電気自動車用の蓄電池を再利用した電力供給サービスも提供する。
電気自動車用に限らず蓄電池は充電と放電を繰り返すことで性能が劣化する。日産によるとリーフに搭載されているリチウムイオン蓄電池は通常の使用状態で5年経過すると、蓄電性能が80%程度に落ちる。走行距離に影響するため、5年程度で蓄電池を交換する必要があるが、家庭や企業で蓄電池システムとして利用するには十分な性能が残っている。
パークタワー東雲では当初はリーフ用の蓄電池(容量24kWh)の新品を4台導入するが、将来はリーフで使われて性能が劣化した蓄電池を再利用する方式により、長期的に低コストで蓄電池を活用できるようにする。蓄電池の供給は、日産自動車と住友商事の合弁会社で電気自動車用の蓄電池の再利用を事業化するフォーアールエナジーが請け負う。
パークタワー東雲が完成するのは2014年1月で、入居開始は同年4月を予定している。総戸数が585戸の大規模マンションにおいて、電気自動車を使った各種のサービスが有効に使われるかどうかを実証する日本で初めての取り組みになる。
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