関西と九州は今夏13%の節電を達成、政府の目標値を上回る:電力供給サービス
先週9月7日(金)をもって、関西・四国・九州の3地域で設定されていた節電期間が終了した。各電力会社の発表によると、節電目標が10%と最も高かった関西・九州ともに最大電力が2010年比で13%も下回り、企業や家庭における節電対策の効果を実証した。
関西電力が発表した今夏の需給状況の分析を見ると、気温に関係なくほぼ一定の割合で最大電力が2010年(平成22年)や2011年(平成23年)よりも低くなっていることが分かる(図1)。明らかに企業や家庭における節電対策の効果とみることができる。
関西電力の分析では、猛暑のために電力需要が増えた2010年と比べて、約11%の削減と示されている。しかし注目すべきは夏を通じた最大電力と最高気温である。
実際のところ7月1日〜9月6日の最高気温は2010年も2012年も36度強でほとんど変わらない。それでも最大電力は2010年の3095万kWから2012年は2682万kWと大きく減少した。実に13.3%の減少率で、節電目標の10%を大きく上回っている。
九州電力も分析結果を発表しており、状況は関西と同様である。2010年と比べて最高気温がほとんど同じで、最大電力は1750万kWから1521万kWに減っている。節電目標の10%を大幅に上回る13.1%の減少率を達成できた。
以上の結果は極めて重要な意味をもつ。今年の夏も相当な猛暑だったにもかかわらず、電力需要を大きく抑えることができた。現在のところ企業や家庭における節電対策は工夫や努力によって実行されている部分が多い。今後はBEMS/HEMS(ビル/家庭向けエネルギー管理システム)の導入が拡大することによって、さらに効率的に最大電力を削減することが可能になる。
政府が2030年に向けたエネルギー戦略を検討している真っ最中だが、現実に気温が高かった今年の夏も節電によって電力不足を回避することができた。さらに節電対策を広げていけば、現状の電力供給体制をベースに再生可能エネルギーを拡大することによって、将来の電力供給を不安視する定常的な要因はなくなると考えられる。
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