電気自動車にワイヤレスで電力を供給、ケーブルやコンセントが不要:スマートホーム
千葉県・柏市で実施中の「柏の葉スマートシティプロジェクト」で、最先端の技術を集約したスマートハウスの実証実験が11月から始まる。注目すべき技術のひとつは、駐車場に埋め込んだ送電装置からワイヤレスで電気自動車に電力を供給する仕組みだ。
三井ホームと三井不動産が新たにプロジェクトの敷地内に建設したスマートハウスを使って、家庭におけるエネルギー使用量の削減に向けた実証実験を11月から実施する。国内のスマートハウスで初めての試みも含まれており、そのひとつが電気自動車向けの「ワイヤレス給電」である。
電気自動車に電力を供給するためには、通常はスタンド型の充電器や家庭用の電源コンセントからケーブルを使って電気自動車の蓄電池に接続する。これに対してワイヤレス給電では、充電器や電源コンセントに接続しないで電力を蓄電池に送ることができる。
実証実験では駐車場に電力を送り出す装置を埋め込み、電気自動車に内蔵した専用装置で電力を受け取る仕組みだ(図1)。磁界共鳴と呼ぶ送電方式を利用する。充電の際にケーブルを接続する手間を省くことができ、日常的に電気自動車を使うユーザーにとては利便性が高い。
駐車場の送電部分は住宅内にあるHEMS(家庭向けエネルギー管理システム)とも連携して、太陽光発電による電力を含めて電気自動車に供給することができる。このHEMSは電力使用量のデータに加えて温度・湿度・照度の情報をもとに、住宅内の家電製品や照明のほか窓やルーパーをコントロールすることも可能にする。
このスマートハウスの実証実験は2段階に分けて進める。2012年11月から2013年9月末まで基礎実験を実施した後に、約2年間にわたって2015年11月末まで入居実験を続ける予定だ。
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