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鉄道の空き地にメガソーラー、貨物の操車場跡地で1MWを発電:自然エネルギー
東京と栃木を結ぶ私鉄大手の東武鉄道が空き地を活用したメガソーラー事業に参入する。貨物の操車場として使っていた跡地に太陽光パネルを設置して、2013年夏から1MWの発電を開始する計画である。事業用に数多くの土地を保有する鉄道会社の参入は今後も増えそうだ。
東武鉄道が太陽光発電所(メガソーラー)を建設するのは、栃木県の佐野市にある葛生駅の南側で、約1万4000平方メートルの広さがある。かつては鉄道貨物の操車場として使われていたが、現在は空き地になっている(図1)。
この広い土地に約1MW(メガワット)の太陽光発電所を建設する計画が始まろうとしている。10月から発電所の詳細設計を開始して、再生可能エネルギーの固定価格買取制度で必要となる設備認定、さらには電力会社との電力受給契約を2013年春までに締結する予定だ。その後に太陽光パネルの設置に着手し、2013年夏から発電事業に乗り出す。
年間の発電量は約110万kWhを見込んでいる。1kWhあたりの買取価格40円を掛けると年間の収入は4400万円になり、20年間の買取期間で約9億円の収入を期待できる。東武鉄道は今後さらに遊休地を活用した発電事業を拡大させる方針だ。
鉄道会社は駅周辺や沿線に広大な土地を所有している。中でも貨物輸送用に使われていた場所は遊休地になっているケースが多く、再開発の対象になる。従来は商業施設や住宅地として開発されてきたが、最近は長期にわたって収益が見込める発電事業に注目が集まっている。ほかの鉄道会社からの新規参入が増えていくことは確実な情勢である。
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