北海道の太平洋岸にメガソーラー、全国平均よりも良い成果を見込む:自然エネルギー
王子製紙の関連会社で、再生可能エネルギーを利用した発電事業を手掛けている王子グリーンリソースは、北海道白糠郡白糠町に大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設すると発表した。
建設予定地の白糠町は、太平洋沿岸の町。ここに関連会社の王子マテリアが保有している遊休地を利用して太陽光発電システムを設置する。2012年11月に着工し、2013年8月に稼働を始める予定。
敷地面積は5万m2で、そのうち8割ほどの土地を太陽光発電システムで埋めるという。最大出力は1.3MW(1300kW)。年間発電量は1400MWhと見込んでいる。全量を北海道電力に売電する。
王子グリーンリソースによると、白糠町は北海道の中では積雪量が少なく、雪の影響をあまり受けない。さらに日射量も期待できるという。メガソーラーの建設を決める前にNEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公開している日射量のデータを確認し、近隣に建っている釧路工場で実際のデータを計測した結果、日射時間と日射量は、全国平均値よりも多少良い値が期待できることが分かった。
涼しい気候も良い方向に働く。太陽電池は日光を浴びて温度が上がると発電効率が下がるという性質を持っている。涼しい場所では太陽電池が日光を浴びても温度が上がりにくので発電効率は落ちにくい。北海道は積雪や日射量の問題で太陽光発電システムには向かない土地と思う人も多いが、広い土地が比較的簡単に手に入り、気候が涼しく太陽電池の表面温度を低く保てるため、メガソーラーの建設に向く場所も多いという。
ただし設置に当たっては北海道という地理的条件を考慮して工夫を加える。1つ目は、太陽光発電パネルに30°の角度を付けて設置すること(図1)。北海道は緯度が高いため、太陽が当たる角度が本州とは異なる。太陽光をなるべく集めるため、太陽光発電パネルに角度を付ける。
太陽光発電パネルに角度を付けると、パネルの影が後方に伸びる。そこで、太陽光パネルの前後の間隔は広くする。
積雪対策も打つ。太陽光発電パネルには30°の角度が付いているので、パネルに落ちた雪はそのまま下に落ちるが、落ちた雪が太陽光発電パネルの真下で積もってしまい、パネルが雪に埋もれるということがある。このような事態を避けるため、架台は高めにする。
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