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ダム下流の水流で発電、2016年度までに2カ所で稼働開始:自然エネルギー
中部電力は岐阜県内にある2カ所のダムの下流に、ダムが常時放出し続ける少量の水を利用した発電施設を建設することを明らかにした。2015年度と2016年度にそれぞれ1カ所ずつ稼働を始める予定だ。
中部電力が発電施設建設を計画しているのは、岐阜県内にある「阿多岐(あたぎ)ダム(岐阜県郡上市白鳥町)」と「丹生川(にゅうかわ)ダム(岐阜県高山市丹生川町)」だ(図1)。ダムが常時放出し続ける少量の水を利用した「維持流量水力発電所」を建設する。
「維持流量」とは、ダム下流の河川の環境維持などを目的に、ダムから常時流し続ける水量を指す。これを利用した発電設備ではダムの放水口が閉まっていても、一定量の水流を期待できるため、発電設備の設備利用率を高い値で維持できる。
阿多岐ダムに建設する発電設備は最大出力が190kWとなる見込み。2014年度に建設を始め、2015年度に稼働開始の予定だ。丹生川ダムに建設する設備は最大出力が350kWとなる見込みで、2015年度に建設を始め、2016年度に稼働を始める予定。岐阜県は県内で建設中の内ヶ谷(うちがたに)ダムにも維持流量水力発電所を建設することを中部電力に提案しており、中部電力も検討を進めるとしている。
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