契約電力がどの程度なら、新電力と契約できるか?:ウイークエンドQuiz(2/2 ページ)
東京都が都庁舎の電力供給元を入札で決める方針を出したほか、足利市は小中学校など市の施設に電力を供給する業者を募るなど、東京電力と距離を置く自治体が増えている。では東京電力などの電力会社との契約を解消し、新電力を電力供給契約を結ぶには、契約電力の値がどれくらいあれば良いのだろうか?
正解:
50kW以上
ミニ解説:
電気事業法によると新電力(特定規模電気事業者:PPS)と契約を結ぶには、契約電力は50kW以上でなければならない。電力小売事業への新規参入が可能になったのは、2000年の改正電気事業法施工による。これにより新電力が活躍する場ができた。2000年当時は、新電力と契約を結ぶには契約電力が2000kW以上という条件が付いたため、実際は一部の大規模な需要家しか新電力を利用できなかった。
しかし電力自由化の流れは進み、新電力と契約するときの条件となる契約電力は2004年には500kW以上、2005年には50kW以上と下がっていった。50kW以上なら、中小オフィスビルやマンションなどの集合住宅も対象となる。東京電力が昨年に電気料金値上げに踏み切り、それに続くように他者も値上げを続々と申請している。これから電気代は高くなる一方だ。
東京電力などの一般電気事業者の電気料金に納得がいかないのなら、新電力に相談してみるのも1つの手だ。しかも新電力は1社だけではない、複数の企業に相談し、納得のいく料金を提示したところと契約すれば、電力コストを大幅に抑えられる。企業における電力コスト削減を考えるなら、新電力と契約を結ぶことは有効なコスト削減策になる可能性がある。
ただし新電力は、供給するための電力の確保が難航しているところが多い。東日本震災以降の電力会社への不信感や電気料金の値上げを理由として新電力に相談する企業は増えている。本来ならすべての企業と契約したいところだが、電力の供給能力に見合わないほど顧客を増やしては話にならない。
2012年に入って、新電力への電力供給を狙った大規模発電所の建設が進み始めた。その中でも最も大規模なものは、東京ガスと昭和シェル石油が共同で運営している発電所「扇島パワーステーション」だ。現時点では出力407.1MWのガスタービン・コンバインド・サイクルの発電機が2台稼働しており、2012年11月に同規模の発電機をもう1台増設する工事が始まった。
工事は2015年に終了する予定。3台の発電機が稼働を始めたら、扇島パワーステーションの最大出力は合計で1221MWになる。
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