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火力発電ではどれくらいの温度で燃料を燃やす?:ウイークエンドQuiz(2/2 ページ)
火力発電では、燃料の燃焼温度が高くなればなるほど効率が良くなる。少ない燃料でよリ大きな電力を得られる、つまり発電コストが下がるのだ。では、現在日本で稼働している火力発電所のうち、最も効率が良い発電設備では燃料をどれくらいの温度で燃焼させているのだろうか?
正解:
e.1500℃
ミニ解説:
現在最も効率が良い火力発電設備は、ガスを燃料としたコンバインドサイクル方式の設備だ。ガスを高温で燃焼させてガスタービンを回すだけでなく、タービンから出てくる高温の排気も利用する設備だ。最新のコンバインドサイクル方式の火力発電設備では、ガスを約1500℃で燃焼させる。燃焼温度から「1500℃級MACC(More Advanced Combined Cycle)」と呼ぶ。
1500℃級MACCの発電設備は東京電力の川崎火力発電所など数カ所で稼働している。川崎火力発電所では現在、出力50万kWの発電設備が4基稼働している。2013年4月には新たに2基の発電設備の建設を始める予定だ。新たに建設する2基はガスの燃焼温度が約1600℃になる「1600℃級MACC II」という新方式を採用する。1600℃級MACC IIの発電設備は、関西電力の姫路第二発電所で現在試運転中だ。
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