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下水処理場で太陽光とバイオマス、神戸市が「Wエコ発電」:自然エネルギー
神戸市は太陽光とバイオマスの2種類の再生可能エネルギーを組み合わせた「こうべWエコ発電プロジェクト」を開始する。第1弾として垂水処理場に太陽光パネルとバイオマス発電装置を設置して、12月から発電を開始する計画だ。約1300世帯分の電力供給能力を発揮する。
下水道の施設を使って太陽光とバイオマスの2つを組み合わせた発電事業に乗り出すのは神戸市が全国で初めてである。市内の垂水処理場の施設の上部に8000枚の太陽光パネルを設置するほか、バイオマスによる小型発電装置を14台導入する。太陽光で2MW(メガワット)、バイオマスで0.35MWの発電能力を発揮して、年間に450kWhの電力供給を可能にする計画だ(図1)。
神戸市は処理場に集まる下水からバイオガスを生成して発電に利用する。発電設備の設置・運営は大阪ガスグループのエナジーバンクジャパン(EBJ)が請け負う。EBJは発電した電力を関西電力に売電するほか、バイオマス発電で生じる排熱を神戸市に供給する役割も担う。売電による収入は年間1億7000円を見込み、そのうちの2割程度を神戸市が受け取る契約になっている。
神戸市内には垂水処理場を含めて6か所に下水の処理場がある。この6か所すべてで同様の「Wエコ発電」を実施すると、太陽光で5MW、バイオマスで2.3MWの発電能力になり、年間に2350万kWhの電力を供給することができる。垂水処理場では12月にWエコ発電を開始する予定で、その成果を見ながらほかの処理場にもWエコ発電を拡大していく。
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