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新・海洋基本計画がまとまる、浮体式の洋上風力は2015年度に技術を確立:自然エネルギー
内閣の総合海洋政策本部が新たに5か年の「海洋基本計画」を策定した。その中で洋上風力発電など海洋再生可能エネルギーの実用化に向けた施策をまとめた。浮体式の洋上風力発電は2015年度までに技術を確立する一方、安全ガイドラインを2013年度中に策定する方針も示した。
一般にはあまり知られていない内閣の組織として「総合海洋政策本部」がある。2007年に我が国の海洋資源の開発・利用と海洋環境の保全を目的に「海洋基本法」が制定され、それに合わせて設置した。本部長は内閣総理大臣が務める。この法律に沿って国の具体的な施策をまとめたものが「海洋基本計画」である。2008年に最初の5か年計画が作られたのに続いて、新たに2013年度からの5か年計画がまとまった(図1)。
新・旧の5か年計画ともに12分野の基本施策を掲げ、その中で「海洋資源の開発及び利用の推進」を1番目に挙げている。旧計画ではメタンハイドレートなどの資源開発については施策を盛り込んでいたが、再生可能エネルギーに関しては必要性を言及するにとどまっていた。
新・5か年計画では洋上風力発電をはじめ、波力・潮流・海流・海洋温度差を含めて海洋エネルギーの利用を促進するための施策を具体的に提示した(図2)。洋上風力発電に関しては進行中の実証実験をふまえて、着床式の技術を2014年度、浮体式の技術を2015年度までに確立する方針を明記した。浮体式については安全ガイドラインも2013年度中に策定する予定だ。
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