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電力を無駄なく使うスマートハウス、見える化の次はスマートハウス(2/2 ページ)

高度なスマートハウスを実現するには電力の制御・変換技術や、各種センサー技術など高度な技術開発が必要だ。大手電機メーカーが単独で開発する他、国のプロジェクトとして推進する動きが続いている。そうしたなか、各社が自由に技術を持ち寄って作り上げていく開発手法が深まっている。

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ワイヤレス見守りシステムでは環境から電力を取得

 実証実験の対象となるもう1つのシステム、ワイヤレス見守りシステムでは何を調べるのだろうか。

 電力の効率よい利用を突き詰めようとすると、例えば人の行動を把握する必要がでてくる。既に広く使われている単純な例では、人感センサー付き照明器具だ。複雑な例では赤外線センサーでユーザーの体温情報を取得する空調機がある。

 今回のスマートセルでは人感センサーや窓開閉センサー、温湿度計、照度センサーなど多数のセンサーを配置する(図4)。個別のセンサーに配電用の電線とセンサー情報を中央に送る配線を接続していくと、メンテナンスに手間が掛かり、センサーの位置を柔軟に変えることもできなくなる。そこで、電力は室内の環境から得、センサー情報は無線で送信することが必要になるはずだ。

 今回のシステムではLED照明(200lx)を受けて150μW出力が可能な光発電デバイスを個別のセンサーの電源として利用する。デバイスは2gと軽く、0.3mmと薄いため、さまざまなセンサーに適用できるという。


図4 センサー群の概要。出典:村田製作所

 なお、今回の実証実験における3社の役割は以下の通り。村田製作所はモデルベース開発手法を用いて次世代型(自律協調型)のエネルギーシステムの実証実験機を開発した。dSPACE Japanは制御ロジックを機器に短期間で実装可能なプロトタイピングシステムと、検証のためのシミュレータなどのモデルベース開発手法、機器を提供した。これにより、システムの品質向上と開発期間の短縮に貢献したという。スマートエナジー研究所はデジタル電源開発の経験がある。これに基づき、エネルギーシステムとクラウドシステムに関するコンセプト、システム構成、制御モデルなどに関するコンサルティングを行った。

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