3種類の蓄電・発電機器とHEMSで、エネルギー使用量を55%削減:スマートハウス
節電・蓄電・発電の機能をフル装備した最新型スマートハウスの販売が7月から始まる。三井不動産レジデンシャルが東京・豊島区で建設中の分譲住宅21戸に各種の機器を実装して、年間のエネルギー使用量を最大55%、光熱費にして約18万円を削減できるようにする。
三井不動産レジデンシャルが建設中の「ファインコート大塚」は、現時点で考えられる節電・蓄電・発電の機能をすべて装備したスマートハウスになる予定だ。
発電機器は燃料電池ガスコージェネレーションシステムの「エネファーム」を中核にして、一般家庭で使用する電力の60%を供給する。オプションで太陽光発電システムを搭載することも可能で、あらかじめ先行配管などを施しておく。
蓄電機器は容量7.2kWhのリチウムイオン蓄電池を標準で搭載して、家庭で使用する電力の12時間分を保持することができる。価格の安い深夜電力を蓄電して昼間に利用することで電気代を引き下げる。さらに電気自動車の蓄電池から住宅に電力を供給できる「EVパワーステーション」もオプションでつく(図1)。
照明器具はすべてLED照明にして、人感センサーによる点灯/消灯の機能を備える。各機器は分電盤を通してHEMS(住宅向けエネルギー管理システム)で管理することができ、日別・時間帯別の電力使用量や蓄電・発電量をパソコンやスマートフォンで見ることが可能だ。電力使用量は住宅内の16か所まで測定できる。
光熱費を安くするための方策として、電力供給はエネファームを最優先に、蓄電池、太陽光発電、電力会社の順で選択する(図2)。
停電時には蓄電池から特定の機器だけに電力を供給する機能も組み込む。エネファームは停電時でも給湯と暖房が可能なバックアップボイラーを備えているため、そのボイラーを動かすための電力も蓄電池から供給する。
エネファームは東京ガス製、蓄電池・太陽光発電・HEMSは京セラ製、EVパワーステーションはニチコン製を採用した。住宅の完成は7月下旬、入居は10月下旬を予定している。販売価格は未定だが、装備を考えると通常のスマートハウスよりも高めになることが予想される。
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