ピーク電力を18%削減した見える化ツール、工場内のセンサーを一元管理:スマートファクトリ
オムロンは自社工場で効果を実証したエネルギー管理システムを外販する。工場内に設置した電力センサーなどのデータをサーバーに集約して、製造現場の担当者がパソコンの画面で実績と目標をひと目で把握できる。オムロンの工場では2012年度の冬にピーク電力を18%以上も削減した。
オムロンは製造現場のエネルギー効率を最大化する「ECOものづくり」を2011年度から開始して、全国各地の工場にエネルギー管理システムを展開してきた。その結果、2012年度の冬(2012年12月〜2013年度3月)にはピーク電力を2010年度比で18%以上も削減する実績を上げた。
自社工場で効果を検証したエネルギー管理システムを、見える化ツールの「環境あんどん」とサーバーの組み合わせで6月から外販する。環境あんどんは製造現場の担当者が手軽に使えることを目的に、フロアマップとグラフを使ってエネルギーの利用状況をひと目でわかるようにした(図1)。
単に見える化するだけではなく、あらかじめ設定した目標値と実績値をもとに警報を出す機能も備える(図2)。工場のフロアなどを階層構造で設定することができ、管理者や担当者ごとに目的に合った現場の状況をそれぞれのパソコンの画面に自動的に表示させることが可能になっている。
各現場の電力量はセンサーでデータを計測してサーバーに集約する。電力量のほかに、温度や湿度、圧縮エアの流量や微小なちりの量なども、必要に応じてセンサーで収集して、電力量と合わせて見える化することができる。センサーとサーバーのあいだの通信にはLAN(ローカルエリアネットワーク)とRS-485による接続に加えて、920MHz帯の無線も利用可能だ(図3)。
サーバーの価格は19万8000円で、環境あんどんはオープン価格で販売する。環境あんどんにはデータ収集チャネルを最大5000まで登録することができる。データの収集間隔は1分/5分/10分/30分/60分の5種類から設定する。
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