1000kW対応のパワコンが登場、効率が98.8%と高い:発電・蓄電機器
国内でメガソーラーの設置が急増する中、メガソーラーの出力に直接対応したパワーコンディショナーが登場した。機器コストの他にも設置費用、メンテナンスコストを抑えることが可能だ。1000kW入力が可能であり、変換効率も98.8%と高い。
メガソーラーを設計する場合、太陽電池モジュールはもちろんだが、それ以外の部分にどのような機器を利用するかで初期投入コストが決まる。運用しやすい機器構成を採らないと運用コストがかさむ。
加えて、売電できる電力量は太陽電池モジュールの種類や設置方法だけで決まるものではない。太陽電池モジュールから送られてくる直流電流を電力系統向けに交流へと変換するパワーコンディショナーの変換効率が重要だ。
スイスABBは、パワーコンディショナー「PVS800シリーズ」に最大875kWと1000kWの直流電力の入力が可能な製品を追加し、日本国内向けの販売を開始した(図1)。パワーコンディショナー単体では国内最大の容量であるという。
なぜ大容量のパワーコンディショナーが必要なのだろうか。これまでのメガソーラーでは中小容量のパワーコンディショナーを並列に接続して1MW以上の容量を実現していた。この手法ではパワーコンディショナーの部材コストがかさむだけではなく、設置に必要な土地の面積が増え、施工やメンテナンスコストも膨らんでしまう。
効率が売電収入を変える
PVS800シリーズのもう1つの特徴は変換効率が高いことだ。ABBによれば最大効率98.8%は業界最高水準にあるという*1)。
「他社のパワーコンディショナーよりも効率が3ポイント高いと考えている。出力10MWのメガソーラーを20年間運用したとすると、3ポイントの差は電力の買取価格にして約3億円の差になる」(ABB)。
*1) ユーロ効率(Euro-eta、部分負荷効率)の値は98.6%。ユーロ効率とは欧州の気候パターンに合致した評価条件に基づいた効率値。実稼働時の変換効率に近いとされる。
入力端子は8つあり、ヒューズ付きのバスバー入力となっている。16端子まで増設が可能であり、電流値を測定する別売品を取り付けることができる。
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