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早くも電力が厳しい九州、卸市場から28万kWを緊急調達:電力供給サービス
7月1日から始まる節電期間の前週にもかかわらず、九州で電力の需給状況が厳しくなっている。今週26日(水)には需給率が94.5%まで上昇する見通しだ。九州電力は一時的に供給力を高めるために、今夏から始まった「夏季広域融通入札市場」で28万kWを調達した。
6月中旬に関西と九州で需給率が95%を突破したのに続いて、きょう6月24日(月)から再び九州で95%に近づく状況になっている。週の半ばまでは供給力の増加が間に合わず、26日(水)には需給率が94.5%に達する見通しだ(図1)。26日の最高気温を29.5度と予想したもので、気温が30度を超えれば95%を突破する可能性もある。
九州電力は緊急対策として他の電力会社から融通を受けるほか、日本卸電力取引所を通じて一般企業からも電力を調達する。通常のスポット取引に加えて、今夏に創設された「夏季広域融通入札市場」の第1号案件として28万kWの調達を決めた。24日〜28日の供給力の内訳を見ると、他社からの受電が全体の約25%を占める異例の事態になっている(図2)。
ただし本来の供給力があれば、まだ余裕をもって対応できる水準の需要に過ぎず、電力会社の見通しが甘いとも言える。九州電力が4月に発表した7月と8月の需給予測では、供給力を1660万kW前後で見込んでいる(図3)。それと比べて現在は約300万kWも少ない。
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