節電すれば最大2000円プレゼント、横浜市の郊外で「ネガワット」を開始:スマートシティ
横浜市と東京急行電鉄が共同で、郊外の特定地域を対象にした節電プロジェクトを開始する。7月〜9月の3か月間を対象に、前年よりも月間の電力使用量を減らす「ネガワット」に協力した家庭に毎月500円分の地域通貨をプレゼントする試みだ。
ネガワットによる節電プロジェクトを実施するのは、横浜市青葉区の美しが丘(うつくしがおか)1丁目〜3丁目で、東京急行電鉄の「たまプラーザ駅」の北側の地域である(図1)。この地域には2013年5月31日現在、6392世帯の2万1147人が住んでいる。
横浜市の中では新しく開発された郊外型の住宅地で、駅の周辺には商業施設が数多くある。地域の住民が節電プロジェクトに協力すると、地元の商店で使える地域通貨をもらうことができる。参加を申し込めば登録ポイント500円分、さらに月間の電力使用量を前年同月よりも減らせば節電ポイントを毎月500円分、チケットで受け取ることができる仕組みだ(図2)。3か月間で最大2000円分のインセンティブになる。
このプロジェクトに参加するためには、東京電力がインターネットで提供する「でんき家計簿」を利用する必要がある。でんき家計簿を通じて毎月の電力使用量を前年と比較することが可能になる。
横浜市と東京急行電鉄は環境重視の未来都市を目指す「次世代郊外まちづくり基本構想2013」を発表して、その第1弾でネガワットによる節電プロジェクトを実施することにした。今回の対象地域をモデル地区に位置づけ、同じ沿線の他の地域にも同様の取り組みを拡大していく計画だ。
ネガワットは節電によるインセンティブを利用者が得られる点で「デマンドレスポンス」と同様だが、対象期間の設定などに違いがある。デマンドレスポンスは電力会社などが節電を依頼した時にだけ有効であるのに対して、ネガワットはあらかじめ決められた期間に節電することでインセンティブを得ることができる。一時的なピークカットよりも継続的な需要の抑制に効果がある。
関連記事
- 全国でデマンドレスポンスを開始、節電要請に応えると電気料金を割引
エネットが500kW以上の顧客に7月から - 節電協力にインセンティブ、東京電力の管内で通年に拡大
NTTファシリティーズが高圧契約の法人を対象に - 節電した電力を買い取る「ネガワット取引」、関西電力が周辺地域へ拡大
中部・北陸・中国電力の顧客企業にも募集 - キーワード解説:人間を節電する気にさせる「ネガワット」
節電で浮いた電力を売買して金銭的な利益を得る - 電力は使い切らない、余らせて売ってコスト削減
連載/電力を安く使うための基礎知識(8)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.