都市のメガソーラーに市民が5億円を出資、北九州市の試み:自然エネルギー
自治体がメガソーラーを立ち上げる手法はさまざまだ。北九州市は市政50周年記念債として、市民へ5億円の公債販売を試みる。
地方自治体がメガソーラー事業に取り組む際、土地の割り当てよりも、資金に悩むケースが多い。民間投資を誘致するケースが最も多いだろう。その他にも、省エネに関する包括的なサービスをESCO事業者と結ぶことがありうる。いずれも、自治体側の出費を最低限に抑えることができる。
さらに別の取り組みもある。公債の発行だ。メガソーラーは初期投資が巨額であり、その後は一定の収入がほぼ保証され、出費は少ない。このような事業形態は公債と組み合わせやすい。公債の発行目的がはっきりしており、再生可能エネルギーに貢献したいという市民の声にも応えやすくなる。
例えば、北九州市は市民太陽光発電所建設のための財源として総額5億円の公債を2013年7月に発行する。北九州市民や市内に勤め先のある個人、市内の事業所を対象に、1人最大100万円までの購入を認める。利回りは年0.50%だ。
同市の若松区、響灘地区に出力約1.5MWのメガソーラーを建設する。予想年間発電量は平均で約135万kWhを見込む。
同市のメガソーラーの場合、売電収入は市の歳入になる。出資者は債権の利子を得ることができる他、希望する場合は、メガソーラーの敷地内に設置する表示板への記銘ができる。
安川電機、三菱化学、小倉セメント工業、クロサキの4社による共同事業体が設計、調達、建設を行う。既に着工しており、2013年8月末の完成を予定する。
【訂正】 記事の掲載当初、出力を1MWとしておりましたが、これは2MWの誤りでした。お詫びして訂正いたします。上記記事はすでに訂正済みです。最終段落に工事に関する記述を追加しました。
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