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医薬品の配送は実に忙しい、そこで生きる超小型電気自動車電気自動車

東京都心を含む8区には4000もの診療所や薬局が密集しており、処方せんに書かれた医薬品を素早く補充する必要がある。これは物流における1つの課題だ。この課題を解決するために超小型電気自動車が役立つ。

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図1 メディセオの物流拠点の位置と、担当する範囲。8区の昼間人口は400万人に達する

 「秋葉原を中心とした東京都心の8区は全国でもまれな地域だ。診療所と調剤薬局の密度は日本でも第一だろう」(メディパルホールディングス)。

 メディパルホールディングスは医薬品や化粧品などの卸を行うグループの持株会社だ。同社の完全子会社であるメディセオは、医療用医薬品や診療材料を供給する物流拠点「東京中央FLC」を2013年7月に完成させた。同拠点は千代田区外神田、いわゆる秋葉原にある。配送先は8区(千代田区、中央区、港区、文京区、台東区、墨田区、江東区、荒川区)に散らばる約4000の医療機関と調剤薬局だ(図1)。

 「東京中央FLCが対象とするのはいわゆる病院ではない。診療所と調剤薬局だ。同拠点から診療所や調剤薬局までの距離は最大でも約6km。さらにそれぞれの診療所や調剤薬局同士の距離も短い」(メディパルホールディングス)。このような条件で処方せん用の医薬品を配送するとしたら、どのような手段が適しているだろうか。

 「バンなどに医薬品を満載すると、積み込み時間が長くなり、動きが遅くなる。短い時間で出発し、すぐに戻ってくる方がよい。積み込む量が多く、移動距離が長くなる朝一便や夕方便は軽自動車、それ以外を二輪車や超小型車とすると最も効率が高くなる」(同社)。

超小型EVを採用


図2 トヨタ車体の「コムス」を採用。出典:メディセオ

 4000の医療機関に医薬品を運ぶのは30台の二輪車(原動機付き自転車)と15台の超小型電気自動車、14台の軽自動車だ。


図3 積載量が二輪車よりも多い。出典:メディセオ

 超小型電気自動車として、トヨタ車体の「コムス」を採用した(図2)。1人乗りだが、二輪車よりも積載量が大きく(図3)、軽自動車よりも小回りがきくというのが理由の1つ。もう1つが環境性能だという。

 コムスをメディセオにリースしたのは住友三井オートサービスだ。リース期間は4年間。「コムスをリースした事例は今回のもので7例目になる。ほとんどの顧客は今回と同様に配送の利便性を求めている。特に移動頻度が高い配送が必要であり、二輪車では荷物を積みきれないためコムスを選んでいる」(住友三井オートサービス)。

【訂正】記事の掲載当初、記事末尾で「三井オートサービス」としていましたが、これは「住友三井オートサービス」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。上記記事はすでに訂正済みです。

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