工場の電力をバイオマスと風力で100%調達、外資系の製薬会社が福島県で:スマートファクトリ
デンマークの製薬会社が日本の工場で使用する電力を全面的に再生可能エネルギーに切り替えた。グリーン電力証書システムを活用して、宮城県のバイオマス発電所と北海道の風力発電所から5年間にわたって電力を購入する。年間の電力使用量は190万kWhを見込んでいる。
創業から90年の歴史を誇るデンマークの製薬会社「ノボ ノルディスク」の日本法人が、福島県の郡山工場で使用する電力を100%再生可能エネルギーに転換した。日本法人の「ノボ ノルディスク ファーマ」が日本自然エネルギーから2種類のグリーン電力証書を購入する契約を締結した(図1)。契約期間は2013年から2017年の5年間である。
郡山工場はノボ社が日本で運営する唯一の生産拠点で、糖尿病や血友病を対象にした医薬品や医療機器を製造している。この工場で年間に使用する電力量は190万kWhを見込んでいて、180万kWhをバイオマス発電、10万kWhを風力発電による電力で調達する。これにより工場で使用する電力のCO2排出量をゼロとみなすことが可能になる。
バイオマス発電は宮城県の石巻合板工業が運営する発電設備から、風力発電は北海道の寿都(すっつ)町にある「寿都温泉ゆべつのゆ風力発電所」から購入する(図2)。2つの発電設備は日本自然エネルギーが運営するグリーン電力証書システムに登録されている。企業は証書を購入することによって、通常の電力会社から送られてくる電力を再生可能エネルギーとみなして利用することができる仕組みだ。
ノボ社の日本法人は郡山工場で使用する燃料も灯油から天然ガスに移行する計画を進めている。電力と燃料を合わせて、工場全体のCO2排出量を2014年には2004年比で83%削減できる見込みである。
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