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ビッグデータで風力や太陽光の発電量を予測、供給量を10%増やせる:エネルギー管理
天候によって変動する風力や太陽光の発電量が増えると、電力会社の送配電ネットワークにトラブルが起きやすくなる。米IBMは膨大な気象データと発電設備からの計測データを組み合わせて、1カ月先までの発電量を予測できるシステムを開発した。中国の大規模なプロジェクトで実証を進める。
米IBMが開発した「HyRef(Hybrid Renewable Energy Forecasting)」は、コンピュータを使って膨大なデータを解析するビッグデータの手法を応用したものだ。発電設備の上空にある雲の動きをカメラで追跡して画像を解析すると同時に、風車や太陽光パネルに設置したセンサーから風速や温度などのデータを収集して、気象条件をもとに発電量を予測する(図1)。
このシステムを使うと、発電設備がある地域の気象を1カ月後まで、しかも15分間隔で予測することが可能になる。電力会社や発電事業者は時間帯ごとの発電量を想定しながら、送配電ネットワークへの供給量や蓄電池への貯蔵量を調整できるわけだ。
風力や太陽光による発電量が一時的に急増すると、送配電ネットワークの中で電力が逆方向に流れることがあり、安定した電力供給に支障を生じかねない。日本でもメガソーラーが急増した北海道で建設計画を制限する措置がとられるなど、再生可能エネルギーの拡大に向けて大きな課題になっている。
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